文献詳細
シリーズ 専門医試験への対応
文献概要
Ⅰ はじめに
舌癌は頭頸部領域の癌のなかでは喉頭癌に次いで発生頻度の高い癌である。発症は20歳代から認められ,男性・女性の性差なくみられる。不良歯牙や義歯の慢性的物理的刺激が原因の1つとして挙げられているが,舌癌の患者でそのような機序によると思われるものはむしろ稀である。原因か結果か明らかではないが,口腔内の衛生状態が不良な患者は多い。またほかの頭頸部癌と同様に喫煙やアルコールの関与が疑われており,疫学的にはそのような報告がみられるものの発癌機序は明らかではない。舌は摂食や構音に重要な役割を果たしており,舌癌の治療後は程度の差こそあれこれらの機能障害が生じる。そのため機能障害を最小限にとどめる治療選択が重要となってくる。
舌癌は頭頸部領域の癌のなかでは喉頭癌に次いで発生頻度の高い癌である。発症は20歳代から認められ,男性・女性の性差なくみられる。不良歯牙や義歯の慢性的物理的刺激が原因の1つとして挙げられているが,舌癌の患者でそのような機序によると思われるものはむしろ稀である。原因か結果か明らかではないが,口腔内の衛生状態が不良な患者は多い。またほかの頭頸部癌と同様に喫煙やアルコールの関与が疑われており,疫学的にはそのような報告がみられるものの発癌機序は明らかではない。舌は摂食や構音に重要な役割を果たしており,舌癌の治療後は程度の差こそあれこれらの機能障害が生じる。そのため機能障害を最小限にとどめる治療選択が重要となってくる。
参考文献
1)日本頭頸部癌学会編:頭頸部癌取り扱い規約,改訂第4版.金原出版,東京,2005,pp23-24
2)朝蔭孝宏:舌癌Ⅰ・Ⅱ期の舌部分切除術.JOHNS 16:597-599,2000
3)朝蔭孝宏・他:舌癌N0症例における頸部リンパ節転移に関する検討.頭頸部腫瘍 26:122-126,2000
4)Asakage T, et al:Tumor thickness predicts cervical metastasis in patients with stage Ⅰ/Ⅱ carcinoma of the tongue. Cancer 82:1443-1448, 1998
5)朝蔭孝宏:舌癌T2N0M0症例の治療指針―予防郭清の是非と機能障害への配慮 1)腫瘍の大きさと予防郭清.耳喉頭頸 76:421-423,2004
6)朝蔭孝宏・他:舌癌に対する頸部郭清術の適応と郭清範囲の標準化に関する研究.頭頸部癌 31:536-540,2005
7)朝蔭孝宏・他:舌部分切除術,その術式の選択.頭頸部腫瘍 28:57-61,2002
8)朝蔭孝宏・他:手術治療を主体とした舌癌の治療成績.頭頸部腫瘍 25:118-122,1999
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