文献詳細
特集 耳鼻咽喉科とチーム医療の実践(3)
②稀少組織系腫瘍化学療法
文献概要
Ⅰ.はじめに
頭頸部癌の治療は治癒と機能(臓器)温存を目的とした集学的治療が繁用されている。そのため治療に際しては部門を超えた医師同士の協力・参加は不可欠である。さらに『癌』を専門とする癌専門薬剤師,癌看護専門看護師などの専門性の高い医療者がそれぞれの専門分野を生かして医療に参加し,意見を述べ,見解を集約したチーム医療が求められている。一方,主治医は高度で安全な医療を提供するために,複雑かつ細分化した医療内容の役割を分担するとともに,全体を統括することが求められる。さらに情報を確実に共有するために,患者,また家族にも患者への心理面のサポートを中心に参加していただくチーム医療が大切と考えている。
当院では癌看護専門看護師は院内の個々の患者の治療形態・治療内容そのものへの参加だけでなく,院内・院外からの癌に関する問い合わせにも対応し,専門的な立場から情報を提供し,必要な場合は医師・薬剤師などとも連携して,より良い治療が受けられるようなシステムの構築を図っている(図1)。
化学療法は集学的治療の1つであり,現在どの悪性腫瘍にも重要な治療手段となっている。悪性腫瘍にかかわる医療者はそれぞれの分野でその腫瘍の特性と治療形態の最先端の知識をもち,その知識をチーム医療のなかで活用することが,より良い治療につながる。
頭頸部癌の治療は治癒と機能(臓器)温存を目的とした集学的治療が繁用されている。そのため治療に際しては部門を超えた医師同士の協力・参加は不可欠である。さらに『癌』を専門とする癌専門薬剤師,癌看護専門看護師などの専門性の高い医療者がそれぞれの専門分野を生かして医療に参加し,意見を述べ,見解を集約したチーム医療が求められている。一方,主治医は高度で安全な医療を提供するために,複雑かつ細分化した医療内容の役割を分担するとともに,全体を統括することが求められる。さらに情報を確実に共有するために,患者,また家族にも患者への心理面のサポートを中心に参加していただくチーム医療が大切と考えている。
当院では癌看護専門看護師は院内の個々の患者の治療形態・治療内容そのものへの参加だけでなく,院内・院外からの癌に関する問い合わせにも対応し,専門的な立場から情報を提供し,必要な場合は医師・薬剤師などとも連携して,より良い治療が受けられるようなシステムの構築を図っている(図1)。
化学療法は集学的治療の1つであり,現在どの悪性腫瘍にも重要な治療手段となっている。悪性腫瘍にかかわる医療者はそれぞれの分野でその腫瘍の特性と治療形態の最先端の知識をもち,その知識をチーム医療のなかで活用することが,より良い治療につながる。
参考文献
1)頭頸部癌学会:Reports of head and neck cancer registry of Japan. Clinical statistics of registered patients, 2003. Histologigcal distribution by primary site. 頭頸部癌 33(suppl):3-5,2007
2)Nance MA, et al:Treatment and survival outcomes based on histologic grading in patients with head and neck mucoepidermoid carcinoma. Cancer 113:2082-2089, 2008
3)Bouyon A, et al:Postoperative treatment of malignant tumors of the parotid gland:radiotherapy, concomitant chemotherapy and radiation therapy? Cancer Radiother 11:465-475, 2007
4)溝江純悦:頭頸部領域の粒子線治療.頭頸部癌 34:310-314,2008
5)佃 守:頭頸部領域の腺癌をどう扱うか―頭頸部腺癌の化学療法.JOHNS 22:1133-1136,2006
6)Vermorken JB, et al:Cisplatin, fluorouracil, and decetaxel in unresectable head and neck cancer. N Engl J Med 357:1695-1704, 2007
7)Posner MR, et al:Cisplatin andfluorouracil alone or with decetaxel in head and neck cancer. N Engl J Med 357:1705-1715, 2007
8)佃 守:頭頸部癌の化学療法.今日の耳鼻咽喉科頭頸部外科治療指針(第3版),森山 寛・他(編).医学書院,東京,2008,pp493-496
9)佃 守:養子免疫療法.Biotherapy 12:297-304,1998
10)Nabili V, et al:Salivary duct carcinoma:a clinical and histologic review with implications for trastuzumab therapy. Head Neck 29:907-912, 2007
掲載誌情報