耳鼻咽喉科・頭頸部外科81巻5号

2009年04月発行

特集 頭頸部再建外科―日常臨床から理論まで

Ⅱ．血管吻合術

Ⅱ．血管吻合術

著者： 濱畑淳盛¹ 櫻井裕之¹

所属機関： ¹東京女子医科大学形成外科

ページ範囲：P.65 - P.69

文献概要

Ⅰ　はじめに

　頭頸部領域の血管吻合は，特に遊離組織弁移植術^1）（以下，free flapと略す）を用いた再建外科において重要な手術手技である。マイクロサージャリーを用いた微小血管吻合技術の確立は複雑な機能・形態を有する頭頸部領域の治療成績を飛躍的に向上させたが，近年集学的治療の進歩に伴い，放射線治療後や手術後の瘢痕を伴う頭頸部再建症例も増加傾向にある。この場合，適切な移植床血管の確保が手術の成否を左右する大きなカギとなる。本稿においては，頭頸部外科領域における血管吻合の基本手技と移植床血管の選択に関して述べることとす。

参考文献

1）桜井裕之・他：皮弁分類とその根拠―日本形成外科学会としての標準化に向けて．日本形成外科学会「2004皮弁分類」について．形成外科 48：717-728，2005

2）梁井　皎：微小血管吻合の基本手技とマイクロサージャリーのトレーニングについて．マイクロサージャリー，外科MOOK No51，波利井清紀（編）．金原出版，東京，pp1-13，1988

3）野﨑幹弘・他：Microvasciular suregryによる血管吻合手術．外科卒後教育セミナー39，ビデオによる他科に学ぶ基本的手術手技，日本外科学会教育委員会（編）．中外医学社，東京，pp442-452，1991

4）佐々木健司・他：微小血管吻合手技（マイクロサージャリー）．手術 50：785-794，1996

5）Ueda K, et al：Comparision of end-to-side venous anastomosisi in free-tissue transfer following resection of head and neck tumors. Mictrosurgery 17：146-149, 1996

6）Sakurai H, et al：Monitoring the changes in intraparenchymatous venous pressure to ascertain flap viability. Plast Reconstr Surg 119：2111-2117, 2007

7）杉山成史・他．咽頭喉頭頸部食道摘出術後の再建における多施設共同研究．頭頸部癌 32：486-493，2006

8）Nakatsuka T, et al：Analytic review of 2372 free flap transfers for head and neck reconstruction following cancer resection. J Reconstr Microsurg 13：363-368, 2003