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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科81巻5号

2009年04月発行

特集 頭頸部再建外科―日常臨床から理論まで

Ⅳ.耳鼻咽喉科医が知っておきたい形成手術―秘伝を用いた小手術

1.気管孔の閉じ方,気管孔の拡大

著者: 塩谷彰浩1

所属機関: 1防衛医科大学校耳鼻咽喉科

ページ範囲:P.128 - P.132

文献概要

Ⅰ 気管孔の閉じ方

 通常の気管切開後の気管孔は,気管カニューレを抜去すれば,自然閉鎖することが多い。しかし,

 (1)気管切開が長期に置かれた場合

 (2)甲状腺癌気管癒着・浸潤例における気管皮膚瘻形成後

 (3)放射線治療後に施行した喉頭部分切除後の喉頭皮膚瘻形成例

 (4)感染防止などの理由で,頸部手術創と気管切開孔との交通を遮断するため,気管全周縫合(気管開窓)した場合

などにおいては,気管(喉頭)皮膚瘻は全周にわたって上皮化して自然閉鎖しないことが多く,外科的な閉鎖術が必要となる。この閉鎖術においては,単純に皮膚を寄せて縫合閉鎖するのではなく,瘻孔面の気道上皮が欠損している部分を,頸部皮膚を翻転させて上皮を補い,raw surfaceを作らないように閉鎖しなければならない。すなわち,気管粘膜面,頸部皮膚面の2面の閉鎖となる。ここでは局所皮弁を用いた気管(喉頭)皮膚瘻閉鎖術について症例を呈示しながら述べる。

参考文献

1)中島 格:術後瘻孔閉鎖術(気道など).耳鼻咽喉・頭頸部手術アトラス(下巻),小松崎 篤・他(編).医学書院,東京,2000,pp139-141
2)Lore J, et al:An atlas of head and neck surgery. WB Saunders, Philadelphia, 2004, pp1034-1035(fistula)
3)Montgomery W:Surgery of the Upper Respiratory System. Vol. 2, Lea & Febiger, Philadelphia 1973, pp359-368
4)Lore J, et al:An atlas of head and neck surgery. WB Saunders, Philadelphia, 2004, p1135
5)原口秀俊:気管孔狭窄.耳鼻咽喉・頭頸部手術アトラス(下巻),小松崎 篤・他(編).医学書院 東京,2000,pp101-103.
6)浅井昌大:永久気管孔狭窄への対応.イラスト手術手技のコツ耳鼻咽喉科・頭頸部外科―咽喉頭頸部編,村上 泰・他(編).東京医学社 東京,2005,pp367-368

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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