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特集 頭頸部再建外科―日常臨床から理論まで Ⅳ.耳鼻咽喉科医が知っておきたい形成手術―秘伝を用いた小手術
3.鼻中隔穿孔閉鎖術
著者: 春名眞一1
所属機関: 1獨協医科大学耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.142 - P.144
文献購入ページに移動Ⅰ はじめに
鼻中隔穿孔の原因として,外傷,手術,腐蝕性薬剤や異物の報告があるが最も多いのは鼻中隔矯正術後である。高度の鼻中隔彎曲,特に棘あるいは櫛を剝離する場合に,凸側の鼻中隔粘膜は薄く,裂傷となる場合が多い。この場合,同時に反対側の鼻中隔粘膜まで損傷すると穿孔形成となる場合が多い。術後に穿孔閉鎖術は簡単でないので,術中に穿孔とならないようにすることが重要である。採取した鼻中隔軟骨を両側の穿孔部分に挿入してできるだけ穿孔辺縁を縫合する。術後,軟骨上に粘膜の再生を促すように,ステロイド軟膏を塗布し,鼻腔内の乾燥を防ぐように綿球を長期間装着させることが重要となる。しかし,粘膜の再生が十分にいかず,軟骨辺縁の穿孔をきたしてしまうことも稀ではない。
鼻中隔穿孔の原因として,外傷,手術,腐蝕性薬剤や異物の報告があるが最も多いのは鼻中隔矯正術後である。高度の鼻中隔彎曲,特に棘あるいは櫛を剝離する場合に,凸側の鼻中隔粘膜は薄く,裂傷となる場合が多い。この場合,同時に反対側の鼻中隔粘膜まで損傷すると穿孔形成となる場合が多い。術後に穿孔閉鎖術は簡単でないので,術中に穿孔とならないようにすることが重要である。採取した鼻中隔軟骨を両側の穿孔部分に挿入してできるだけ穿孔辺縁を縫合する。術後,軟骨上に粘膜の再生を促すように,ステロイド軟膏を塗布し,鼻腔内の乾燥を防ぐように綿球を長期間装着させることが重要となる。しかし,粘膜の再生が十分にいかず,軟骨辺縁の穿孔をきたしてしまうことも稀ではない。
参考文献
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