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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科81巻7号

2009年06月発行

文献概要

原著

耳下腺上皮性腫瘍手術症例の検討

著者: 酒主敦子1 中溝宗永1 横島一彦1 粉川隆行1 島田健一1 小津千佳1 稲井俊太1 陣内賢1 富山俊一1 八木聰明1

所属機関: 1日本医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科

ページ範囲:P.489 - P.495

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Ⅰ.はじめに

 耳下腺腫瘍は頭頸部腫瘍の約4%1)であるが,近年増加傾向が指摘されている2)。われわれは以前に1987~1996年の耳下腺上皮性腫瘍手術138例の検討を行い,種々の問題点を指摘した3)。その後10年が経過し,同数以上の手術を行った。この間当科では治療に携わった医師が交替し,かつ国内外の手術術式や顔面神経の取り扱いに関する議論4~7)に従って,術式も若干変更した。そこで,以前の10年間の症例と合わせ,20年間に手術を実施した耳下腺腫瘍の検討を行い,その臨床像の変遷を明らかにしようと考えた。また,術式変更による術後顔面神経麻痺についても検討した。

参考文献

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2)成田七美・他:当教室における大唾液腺腫瘍の臨床統計.耳鼻 39:1004-1009,1993
3)陣内 賢・他:耳下腺上皮性腫瘍の臨床統計的考察.耳喉頭頸 70:589-593,1998
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18)吉橋秀高・他:耳下腺腫瘍術後の顔面神経麻痺に対する検討.耳鼻臨床 92:1331-1334,1999

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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