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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科81巻8号

2009年07月発行

文献概要

原著

MRI拡散強調像が有用であった中耳真珠腫症例

著者: 菅原一真1 下郡博明1 橋本誠1 御厨剛史1 山下裕司1

所属機関: 1山口大学大学院医学系研究科耳鼻咽喉科学分野

ページ範囲:P.521 - P.525

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Ⅰ.はじめに

 中耳真珠腫を診断する際,画像診断として分解能に優れたCT検査は,病変の部位の同定,骨破壊の程度を評価するのに有用であり,必須の検査である。しかし,CT検査は骨以外のほとんどの病変(真珠腫,肉芽,貯留液)が軟部陰影として描出されるので,病変の質的診断には限界があった1)。症例によっては中耳手術の適応を決める際に判断に苦慮する場合があるが,質的診断を行うために,これまでにもさまざまな方法が試みられてきた2,3)。今回われわれは中耳真珠腫の画像診断の1つとしてMRI拡散強調像を用い,診療のうえで有用であった症例を経験したので報告する。

参考文献

1)伴 茂之:真珠腫性中耳炎のMR画像.帝京医学雑誌 23:13-25,2000
2)尾尻博也:頭頸部のCT・MRI:解剖,撮像,診断 中耳,側頭骨.臨床画像 20:666-685,2004
3)東野哲也:耳科領域の画像診断.耳鼻臨床 99:171-173,2006
4)小玉隆男:画像診断(CT,MRI).MB ENT 66:4-12,2006
5)小島博己:先天性真珠腫.ENTONI 61:20-26,2006
6)Aikeke P, et al:Diffusion-weighted MR imaging of cholesteatoma in pediatric and adult patients who have undergone middle ear surgery. AJR 181:261-265, 2003
7)Dubrulle F, et al:Diffusion-weighted MR imaging sequence in the direction of postoperative recurrent cholesteatoma. Radiology 238:604-610, 2006
8)長井慎成・他:中耳真珠腫におけるMRI拡散強調像の有用性.日耳鼻 110:707-712,2007
9)宮下武憲・他:目でみる耳鼻咽喉科 MRI拡散強調像が有用であった真珠腫性中耳炎症例.耳喉頭頸 79:896-898,2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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