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原著
当科を受診したアミロイドーシス3症例
著者: 南修司郎12 小澤宏之2 加藤高志23 行木一郎太2 松延毅24 川崎泰士2 伊藤文展2 行木英生2
所属機関: 1慶應義塾大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科 2静岡赤十字病院耳鼻咽喉科 3医進会藤枝診療所 4防衛医科大学校耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.543 - P.547
文献購入ページに移動アミロイドーシスは線維構造をもつ特異な蛋白であるアミロイド物質が,全身諸臓器の細胞外に沈着することによって機能障害を引き起こす一連の疾患群である1)。アミロイドーシスは臓器障害の広がりにより全身性と限局性に大別される。両者の病因論の基本的考え方は,全身性アミロイドーシスでは必ず血中にアミロイド前駆蛋白が存在する,体内におけるこのアミロイド前駆蛋白の産生を阻止すればアミロイドーシスの進展を防ぐことができる,の2点である1)。限局性アミロイドーシスではその前駆蛋白は病変が出現する局所で産生されており,血液中には出現してこない。実際に患者の生命予後に関係するのは全身性アミロイドーシスである。今回当科を受診した全身性アミロイドーシス3症例を呈示し,この全身性疾患に対する耳鼻咽喉科医の役割について考察を行った。
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