文献詳細
文献概要
目でみる耳鼻咽喉科
ワレンベルグ症候群
著者: 森田倫正1 原田保1
所属機関: 1川崎医科大学耳鼻咽喉科学教室
ページ範囲:P.738 - P.740
文献購入ページに移動Ⅰ.はじめに
ワレンベルグ症候群は,椎骨動脈系の閉塞によってその血管領域である延髄外側が梗塞に陥り多彩な症状を呈する疾患である1)。他の脳梗塞と同様に,危険因子として高血圧,糖尿病,高脂血症,喫煙などが挙げられる。またその一方で,ワレンベルグ症候群は一般の脳梗塞よりも若年者に多いとされ,内頸動脈と比較して椎骨・脳底動脈で起こることが多い動脈解離がその発症の重要な原因の1つとして報告されている2)。頭痛,悪心,嘔吐を伴うめまいを主訴とし,一般に錐体路症状を伴わないため,末しょう性めまいとして耳鼻咽喉科初診となることも多く注意が必要な中枢性疾患の1つである。
ワレンベルグ症候群は,椎骨動脈系の閉塞によってその血管領域である延髄外側が梗塞に陥り多彩な症状を呈する疾患である1)。他の脳梗塞と同様に,危険因子として高血圧,糖尿病,高脂血症,喫煙などが挙げられる。またその一方で,ワレンベルグ症候群は一般の脳梗塞よりも若年者に多いとされ,内頸動脈と比較して椎骨・脳底動脈で起こることが多い動脈解離がその発症の重要な原因の1つとして報告されている2)。頭痛,悪心,嘔吐を伴うめまいを主訴とし,一般に錐体路症状を伴わないため,末しょう性めまいとして耳鼻咽喉科初診となることも多く注意が必要な中枢性疾患の1つである。
参考文献
1)Norrving B, et al:Lateral medullary infarction. Neurology 41:244-248, 1991
2)Hosoya T, et al:Intracranial vertebral artery dissection in Wallenberg syndrome. AJNR 15:1161-1165, 1994
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