文献詳細
特集 表在癌の新しい対応
1.早期胃癌に対する内視鏡的粘膜下層剝離術
著者: 藤原昌子1 森田圭紀1 豊永高史2 東健1
所属機関: 1神戸大学医学部附属病院消化器内科 2神戸大学医学部附属病院光学医療診療部
ページ範囲:P.751 - P.755
文献概要
早期胃癌に対する内視鏡的切除術の歴史は,1968年に常岡ら1)によって開発された内視鏡的ポリペクトミーに始まった。その後,1980年代に竹腰ら2)によって開発されたendoscopic double snare polypectomy(EDSP)法,平尾ら3)によって開発されたendoscopic resection with local injection of hypersaline-epi-nephrine(ERHSE)法や多田ら4)のstrip biopsy法に代表される内視鏡的粘膜切除術(endoscopic mucosal resection:EMR)の時代を経て,現在では内視鏡的粘膜下層剝離術(endoscopic submucosal dissection:ESD)が開発・臨床応用され,全国に普及している。ESDは病変周囲の粘膜を全周性に切開し粘膜下層を剝離することにより病変を一括切除する方法である。ESDにより,大きさや占拠部位,瘢痕合併の有無にかかわらず病変の一括切除が可能となり,組織学的に十分な評価が可能な切除標本が得られ,内視鏡治療による根治度やリンパ節転移の可能性が正確に検討できるようになった。本稿では,ESDの概要について解説する。
参考文献
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