文献詳細
原著
喉頭に発生した尋常性疣贅の2例
著者: 山本沙織1 森本浩一1 斉藤幹1 大月直樹1 丹生健一1
所属機関: 1神戸大学医学部附属病院耳鼻咽喉・頭頸部外科
ページ範囲:P.799 - P.804
文献概要
尋常性疣贅は通常,四肢末しょう皮膚に発生する表面乳嘴状の角化性丘疹で,主にヒト乳頭腫ウイルス(HPV)2,4,27,57型の感染により生じる1,2)。これらのHPVは微小な外傷から侵入し,1~6か月間の潜伏期を経て発症するとされている。頭頸部領域ではHPVに関連した疾患として喉頭乳頭腫や中咽頭癌が知られているが,粘膜を発生母地とした尋常性疣贅はきわめて稀で,口唇,舌および喉頭に発生した症例が少数報告されているにすぎない。今回われわれは声帯に発生した尋常性疣贅の2例を経験したので文献的考察を加えて報告する。
参考文献
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