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特集 耳鼻咽喉科専門研修をはじめる医師へ―書類作成と留意点
4.医療安全にかかわるレポートシステム
著者: 佃守1
所属機関: 1横浜市立大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科
ページ範囲:P.852 - P.860
文献購入ページに移動Ⅰ.報告システムの考え方
さまざまな医療行為で約10%が事故につながる可能性があり(ヒヤリハット),また30回の医療行為で1回は事故になると考えられている(図1)。そのため医療事故発生のリスクを可能な限り下げる目的で,医療機関内で何が生じ,どこに問題があるかを考え,その対策を講ずることが医療安全の根幹となっている。医療に関する報告システムの目的は職員が自己の行為を見直し,事故防止策によって職場,業務の改善を図るだけでなく,その過程で職員間のコミュニケーションの活性化によってチーム医療を充実させることである(表1)。
現在,医療機関では医療に関して患者に有害事象が生じる可能性があった(ヒヤリハット,狭義のインシデント),また医療行為を行って生じた事象(オカレンス,アクシデント)に関してその内容を問わずに収集,分析し,再発防止策を決め,院内に周知することが義務づけられている(表2)。医療事故が起こりそうだったヒヤリハット,また生じた事象の内容を医療の安全をつかさどる部門(医療安全管理室など)に報告するシステムを広義のインシデントレポートと呼ぶ。
さまざまな医療行為で約10%が事故につながる可能性があり(ヒヤリハット),また30回の医療行為で1回は事故になると考えられている(図1)。そのため医療事故発生のリスクを可能な限り下げる目的で,医療機関内で何が生じ,どこに問題があるかを考え,その対策を講ずることが医療安全の根幹となっている。医療に関する報告システムの目的は職員が自己の行為を見直し,事故防止策によって職場,業務の改善を図るだけでなく,その過程で職員間のコミュニケーションの活性化によってチーム医療を充実させることである(表1)。
現在,医療機関では医療に関して患者に有害事象が生じる可能性があった(ヒヤリハット,狭義のインシデント),また医療行為を行って生じた事象(オカレンス,アクシデント)に関してその内容を問わずに収集,分析し,再発防止策を決め,院内に周知することが義務づけられている(表2)。医療事故が起こりそうだったヒヤリハット,また生じた事象の内容を医療の安全をつかさどる部門(医療安全管理室など)に報告するシステムを広義のインシデントレポートと呼ぶ。
参考文献
1)日本ヒューマンファクター研究所:ヒューマンファクターの基礎と実践.日本ヒューマンファクター研究所,2004
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