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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科82巻13号

2010年12月発行

特集 耳鼻咽喉科における心因性疾患とその対応

2.心因性難聴

著者: 工藤典代1

所属機関: 1千葉県立保健医療大学健康科学部栄養学科

ページ範囲:P.921 - P.925

文献概要

Ⅰ.はじめに

 心因性難聴は,小児において,多くは学校健診での聴力検査の結果,『聞こえが悪いようだから耳鼻咽喉科で診てもらうように,といわれた』と耳鼻咽喉科を受診することから始まる。聴力検査を行うと確かに難聴を示しているが,客観的な難聴の症状がみられることはほとんどない。1,2週間程度の間隔を開けて再検査を行うと,聴力閾値が変動している。他覚的聴覚検査を行えば聴力検査結果と矛盾し正常閾値を示し,機能性難聴あるいは心因性難聴の診断を行うことになる。

 成人においては『朝から突然聞こえなくなった』と,急いで耳鼻咽喉科を受診し,筆談,あるいは誰かの通訳で問診を行うことがある。

 このような難聴児者が受診した場合に,心因性難聴の診断の経過とその後どのように対応すればよいかについて述べる。

参考文献

1)工藤典代:小児の心因性難聴.心因性難聴,矢野 純・他(編).中山書店,東京,2005,pp3-12
2)日本耳鼻咽喉科学会社会医療部学校保健委員会:耳鼻咽喉科学校医のための小児心因性難聴への対応指針.日耳鼻 103:588-598,2000
3)佐藤 斎:持続音検査.心因性難聴,矢野 純・他(編).中山書店,東京,2005,pp72-76
4)工藤典代:耳鼻咽喉科でのこころのケア―私はこうしている―心因性難聴.JOHNS 25:715-718,2009
5)矢野 純:成人の心因性難聴.心因性難聴,矢野 純・他(編).中山書店,東京,2005,pp13-17
6)久保千春・他:心療内科・精神科からみた心因性難聴(転換性障害としての難聴).心因性難聴,矢野 純・他(編).中山書店,東京,2005,pp18-21
7)赤松えり子:成人の心因性難聴の背景と環境.心因性難聴,矢野 純・他(編).中山書店,東京,2005,pp31-40

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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