文献詳細
特集 診療ガイドライン・診療の手引き概要
文献概要
Ⅰ.はじめに
エビデンスに基づいた『小児急性中耳炎診療ガイドライン』1)が本邦で初めて作成され公表されたのは2006年3月であった。このガイドラインは日本耳科学会が中心となり,日本小児耳鼻咽喉科学会,日本耳鼻咽喉科感染症研究会の3つの学術団体の代表者が集まり,ガイドライン作成委員会(喜多村健委員長)のもとで3年にわたり検討された。このガイドラインは中耳炎の診療に従事する医療者や感染症専門の医療者から高い評価を受け,翌年には日本医療評価機構のホームページにも掲載された。それには,『公表後も定期的に改定する予定』と記載されていた。2006年に公表後,ガイドラインに基づく診療の評価を行い,さらに病原体の薬剤感受性の変化など,最新エビデンスをもとに『小児急性中耳炎診療ガイドライン2009年版』2)が出版されたのは2009年1月である。ここでは当初のガイドラインの基本概念と,2009年版の変更点などについて述べたい。
エビデンスに基づいた『小児急性中耳炎診療ガイドライン』1)が本邦で初めて作成され公表されたのは2006年3月であった。このガイドラインは日本耳科学会が中心となり,日本小児耳鼻咽喉科学会,日本耳鼻咽喉科感染症研究会の3つの学術団体の代表者が集まり,ガイドライン作成委員会(喜多村健委員長)のもとで3年にわたり検討された。このガイドラインは中耳炎の診療に従事する医療者や感染症専門の医療者から高い評価を受け,翌年には日本医療評価機構のホームページにも掲載された。それには,『公表後も定期的に改定する予定』と記載されていた。2006年に公表後,ガイドラインに基づく診療の評価を行い,さらに病原体の薬剤感受性の変化など,最新エビデンスをもとに『小児急性中耳炎診療ガイドライン2009年版』2)が出版されたのは2009年1月である。ここでは当初のガイドラインの基本概念と,2009年版の変更点などについて述べたい。
参考文献
1)日本耳科学会,日本小児耳鼻咽喉科学会,日本耳鼻咽喉科感染症研究会(編):小児急性中耳炎診療ガイドライン.金原出版,2006,東京
2)日本耳科学会,日本小児耳鼻咽喉科学会,日本耳鼻咽喉科感染症研究会(編):小児急性中耳炎診療ガイドライン2009年版.金原出版,2009,東京
3)Hotomi M, et al:Factors associated with clinical outcome in acute otitis media. Ann Otol Rhinol Laryngol 113:846-852, 2004
4)Hotomi M, et al:Treatment and outcome of severe and non-sever acute otitis media. Eur J Pediatr 164:3-8, 2005
5)Maruyama Y, et al:Effects of Japanese herbal medicine. Juzen-taiho-to, in otitis-prone children:a preliminary study. Acta Otolaryngoll 129:14-18, 2009
6)宇野芳史:小児難治性反復性中耳炎に対する長期鼓膜換気チューブ留置術の有効性について.Otology Jpn 17:16-25,2007
7)宇野芳史:小児難治性反復性中耳炎に対する短期鼓膜換気チューブ留置術の有効性について.Otology Jpn 17:194-202,2007
8)Bolt P, et al:Topical lignocaine for pain relief in acute otitis media:results of a double-blind placebo-controlled randomized trial. Arch Dis Child 93:40-44, 2008
9)Dohar J, et al:Topical ciprofloxacin/dexamethasone superior to oral amoxicillin/clavulanic acid in acute otitis media with otorrhea through tympanostomy tubes. Pediatrics 118:e561-569, 2006
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