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特集 診療ガイドライン・診療の手引き概要
2.鼻アレルギー診療ガイドラインの概要
著者: 岡本美孝1
所属機関: 1千葉大学大学院医学研究院耳鼻咽喉科・頭頸部腫瘍学
ページ範囲:P.197 - P.204
文献購入ページに移動Ⅰ.はじめに
治療内容の向上を目指したガイドラインによる『標準化』は必要である。アレルギー性鼻炎の治療,特に花粉症治療に対する調査から患者の治療に対する満足度は必ずしも高くはないといった報告もあり,治療の底上げが求められている。国内では,1993年に『鼻アレルギー診療ガイドライン』が初めて作成され,現在の国内のガイドラインは2008年に刊行された第6版である。作成の基本方針として,①利用対象はアレルギー性鼻炎の非専門医師を含む幅広い層であること,②治療上の参考となることを目的とし,治療法を規制するものではないこと,③エビデンスに基づいた作成を目指すが,文献万能の得失にも考慮して利便性を重視すること,④日本の保険診療を前提とすること,⑤基本的事項は実施診療に必要最小限の項目にとどめ,基礎,臨床ともに証明の十分でない仮説はできるだけ採用しないことが挙げられている。
治療内容の向上を目指したガイドラインによる『標準化』は必要である。アレルギー性鼻炎の治療,特に花粉症治療に対する調査から患者の治療に対する満足度は必ずしも高くはないといった報告もあり,治療の底上げが求められている。国内では,1993年に『鼻アレルギー診療ガイドライン』が初めて作成され,現在の国内のガイドラインは2008年に刊行された第6版である。作成の基本方針として,①利用対象はアレルギー性鼻炎の非専門医師を含む幅広い層であること,②治療上の参考となることを目的とし,治療法を規制するものではないこと,③エビデンスに基づいた作成を目指すが,文献万能の得失にも考慮して利便性を重視すること,④日本の保険診療を前提とすること,⑤基本的事項は実施診療に必要最小限の項目にとどめ,基礎,臨床ともに証明の十分でない仮説はできるだけ採用しないことが挙げられている。
参考文献
1)鼻アレルギー診療ガイドライン作成委員会:鼻アレルギー診療ガイドライン―通年性鼻炎と花粉症2009年版.ライフサイエンス,東京,2008
2)Bousquet J, et al:Allergic Rhinitis and its Impact on Asthma(ARIA)2008 update. Allergy 63(Suppl)86:8-160, 2008
3)Mckemy DD:How cold is it? TRPM8 and TRPA1 in the molecular logic of cold sensation. Mol Pain 1:16, 2005
4)Lockey RF, et al:Systemic reactions and fatalities associated with allergen immunotherapy. Ann Allergy Asthma Immunol 87(Suppl):47-55, 2001
5)Sasaki K, Okamoto Y, et al:Cedar and cypress pollinosis and allergic rhinitis:Quality of life effects of early intervention with Leukotriene receptor antagonists. Int Arch Allergy Immunol 149:350-358, 2009
6)Okamoto Y, et al:Present situation of cedar pollinosis in Japan and its immune responses. Allergol Int 58:152-162, 2009
7)堀口茂俊・岡本美孝・米倉修二・他:スギ花粉エキスを用いた免疫治療へのヒノキ花粉感作の影響.アレルギー 57:558-561,2008
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