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特集 診療ガイドライン・診療の手引き概要
4.嚥下障害診療ガイドライン
著者: 久育男1
所属機関: 1京都府立医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科学教室
ページ範囲:P.213 - P.217
文献購入ページに移動Ⅰ.はじめに
高齢化社会の到来により,脳血管障害や神経・筋疾患が増加し,それに伴う嚥下障害への対応が問題となっている。ただ,嚥下障害は各診療科の担当領域が確立しておらず,診療体制がなお混沌としているのが現状である。また,実際の診療に当たっては,個々の医師の裁量によるところが多いため,体系的な診療がなされていない可能性が高い。嚥下障害の診療に当たっては,口腔,咽頭・喉頭,食道とその周辺部位の構造と機能(特に喉頭の機能)を十分に理解した医師が担当することは当然である。そういう観点からは,耳鼻咽喉科医が嚥下障害の診療に携わる必要性と重要性についてはいうまでもないが,耳鼻咽喉科医全般がその任を十分に果たしているとはいいがたいのが現状である。
このような状況下で,耳鼻咽喉科医が嚥下障害患者の診療に携わるきっかけや手助けとなるために,日本耳鼻咽喉科学会は,『嚥下障害診療ガイドライン―耳鼻咽喉科外来における対応―』を2008年に金原出版から上梓した(図1)。本稿では,その概要について述べる。
高齢化社会の到来により,脳血管障害や神経・筋疾患が増加し,それに伴う嚥下障害への対応が問題となっている。ただ,嚥下障害は各診療科の担当領域が確立しておらず,診療体制がなお混沌としているのが現状である。また,実際の診療に当たっては,個々の医師の裁量によるところが多いため,体系的な診療がなされていない可能性が高い。嚥下障害の診療に当たっては,口腔,咽頭・喉頭,食道とその周辺部位の構造と機能(特に喉頭の機能)を十分に理解した医師が担当することは当然である。そういう観点からは,耳鼻咽喉科医が嚥下障害の診療に携わる必要性と重要性についてはいうまでもないが,耳鼻咽喉科医全般がその任を十分に果たしているとはいいがたいのが現状である。
このような状況下で,耳鼻咽喉科医が嚥下障害患者の診療に携わるきっかけや手助けとなるために,日本耳鼻咽喉科学会は,『嚥下障害診療ガイドライン―耳鼻咽喉科外来における対応―』を2008年に金原出版から上梓した(図1)。本稿では,その概要について述べる。
参考文献
1)日本耳鼻咽喉科学会:嚥下障害診療ガイドライン―耳鼻咽喉科外来における対応―2008年版.金原出版,東京,2008
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