文献詳細
文献概要
原著
87歳で流行性耳下腺炎に罹患し耳下腺内膿瘍と喉頭浮腫を合併した1例
著者: 山内智彦1 市村恵一2
所属機関: 1福島県立南会津病院耳鼻咽喉科 2自治医科大学耳鼻咽喉科学教室
ページ範囲:P.235 - P.237
文献購入ページに移動Ⅰ はじめに
流行性耳下腺炎(以下,ムンプスと略す)は,パラミクソウイルス科に属するムンプスウイルスによる感染症で,2,3週間の潜伏期を経て発症し,片側あるいは両側の唾液腺の腫脹を特徴とする。
本疾患は,主に小児に罹患することが多く,一度感染すると,終世免疫を獲得するため,高齢者が罹患することは珍しい1~3)。
また,ムンプスに喉頭浮腫を合併したという報告は少ない4~8)。
今回,87歳の高齢者がムンプスに罹患し,耳下腺内膿瘍と喉頭浮腫を合併した症例を経験したので報告する。
流行性耳下腺炎(以下,ムンプスと略す)は,パラミクソウイルス科に属するムンプスウイルスによる感染症で,2,3週間の潜伏期を経て発症し,片側あるいは両側の唾液腺の腫脹を特徴とする。
本疾患は,主に小児に罹患することが多く,一度感染すると,終世免疫を獲得するため,高齢者が罹患することは珍しい1~3)。
また,ムンプスに喉頭浮腫を合併したという報告は少ない4~8)。
今回,87歳の高齢者がムンプスに罹患し,耳下腺内膿瘍と喉頭浮腫を合併した症例を経験したので報告する。
参考文献
1)Philip RN, et al:Observations on a mumps epidemic in a“virgin”population. Am J Hyg 69:91-111, 1959
2)Boxall N, et al:An increase in the number of mumps cases in the Czech Republic, 2005-2006. Euro Surveill 13(16):pii:18842, 2008
3)Schmid D, et al, Mumps outbreak in young adults following a festival in Austria, 2006. Euro Surveill 13(7):pii:8042, 2008
4)加藤洋治:流行性耳下腺炎に合併した咽喉頭浮腫の成人2例.日気食会報 53:37-39,2002
5)殿内一弘・他:喉頭浮腫を合併したムンプス例.耳鼻臨床 95:951-955,2002
6)木村美和子・他:咽喉頭浮腫を合併したムンプスの2症例.日気食会報 57:502-507,2006
7)石田正幸・他:喉頭浮腫による呼吸困難を主訴に受診したムンプス3例.耳鼻臨床(補) 118:123,2006
8)小林俊樹・他:喉頭浮腫を合併したムンプス感染症の1例.耳展 51:49-51,2008
9)小川玲奈・他:再感染により発症した高齢者ムンプスの1例.内科 99:951-954,2007
10)Glick D:An isolated case of mumps in a geriatric population. J Am Geriatr Soc 18:642-644, 1970
掲載誌情報