耳鼻咽喉科・頭頸部外科82巻4号

2010年04月発行

原著

鼻中隔膿瘍の2症例

著者： 篠原宏¹ 雁金理華子¹

所属機関： ¹総合新川橋病院耳鼻咽喉科

ページ範囲：P.287 - P.290

Ⅰ　はじめに

　鼻中隔膿瘍は抗菌薬の発達により報告も減少し，稀な疾患となったが，早期に診断し適切な治療を行わないと鞍鼻や頭蓋内合併症を惹起する可能性がある。

　今回，われわれは鼻中隔膿瘍を2例経験したので，成因と治療法について考察を加えて報告する。

参考文献

1）久保猪之吉・他：特発性鼻中隔膿瘍．実験医報 3：29-34，1914

2）谷口雅信・他：鼻中隔膿瘍の2例．耳鼻 49：437-440，2003

3）Ambrus PS, et al：Management of nasal septal abscess. Laryngoscope 91：575-582, 1981

4）上村卓也・他：特発性鼻中隔膿瘍の1症例．耳喉 40：613-617，1968

5）黒石川　泰・他：蝶形骨洞炎に続発して生じた鼻中隔膿瘍の1症例．耳展 40：434-437，1997

6）Collins MP：Abscess of the nasal septum complicating isolated acute sphenoiditis. J Laryngol Otol 99：715-719, 1985

7）村上正徳：歯性鼻中隔膿瘍．耳鼻臨床 25：112-118，1931

8）Shapiro RS：Nasal septal abscess. Can Med Assoc 119：1321-1323, 1978

9）Fearon B, et al：Abscess of the nasal septum in children. Arch Otolaryngol 74：408-412, 1961

10）山田一美・他：鼻中隔膿瘍の1例．耳鼻臨床 78：1302-1307，1985