文献詳細
特集 耳鼻咽喉科・頭頸部外科の検査マニュアル―方法・結果とその解釈
Ⅷ.ことばの検査
文献概要
Ⅰ はじめに
失語症とは,すでに獲得した言語機能を文字通り『失う』病態である。言語機能を失う原因はさまざまであるが,頻度として高いのは脳血管障害による脳機能の部分的な喪失あるいは低下である1)。
これに対して幼小児期の言語獲得中に発症した失語症は,言語獲得後の成人期に発症した失語症と比較して複雑な経過をたどることが多く,小児失語症として別の疾患として扱うほうが適切である。本稿では小児失語症については言及しない。
以下にまず診察手順に従って失語症の検査を列挙する。
失語症とは,すでに獲得した言語機能を文字通り『失う』病態である。言語機能を失う原因はさまざまであるが,頻度として高いのは脳血管障害による脳機能の部分的な喪失あるいは低下である1)。
これに対して幼小児期の言語獲得中に発症した失語症は,言語獲得後の成人期に発症した失語症と比較して複雑な経過をたどることが多く,小児失語症として別の疾患として扱うほうが適切である。本稿では小児失語症については言及しない。
以下にまず診察手順に従って失語症の検査を列挙する。
参考文献
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