文献詳細
特集 耳鼻咽喉科領域の術後機能評価
文献概要
Ⅰ.はじめに
声の障害を訴えて来院した患者に対しては,喉頭疾患の診断と声の障害の程度を客観的に評価したうえで,治療方針を決定する。喉頭疾患の診断には,詳細な問診,内視鏡での視診やストロボスコピーによる声帯振動の評価などが実施され,音声障害の評価には聴覚心理的評価,音響分析検査,空気力学的検査などが用いられる。音声障害の原因として良性疾患が考えられれば,一般に音声機能改善手術の適応となる。病変が軽度の場合はまず保存的治療や音声訓練を行ってみて改善しない場合に手術が選択されることがある。
音声検査は,原因疾患の診断には補助的な役割であるが,音声障害の程度を客観的に把握するのに重要であり,特に治療前後で比較することでその効果を判定することができる1)。音声機能改善手術を行うのであれば,音声の客観的評価,できれば定量的評価を行う必要がある。本稿では,音声機能改善手術の術後機能評価について述べる。
声の障害を訴えて来院した患者に対しては,喉頭疾患の診断と声の障害の程度を客観的に評価したうえで,治療方針を決定する。喉頭疾患の診断には,詳細な問診,内視鏡での視診やストロボスコピーによる声帯振動の評価などが実施され,音声障害の評価には聴覚心理的評価,音響分析検査,空気力学的検査などが用いられる。音声障害の原因として良性疾患が考えられれば,一般に音声機能改善手術の適応となる。病変が軽度の場合はまず保存的治療や音声訓練を行ってみて改善しない場合に手術が選択されることがある。
音声検査は,原因疾患の診断には補助的な役割であるが,音声障害の程度を客観的に把握するのに重要であり,特に治療前後で比較することでその効果を判定することができる1)。音声機能改善手術を行うのであれば,音声の客観的評価,できれば定量的評価を行う必要がある。本稿では,音声機能改善手術の術後機能評価について述べる。
参考文献
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