文献詳細
文献概要
原著
DICの状況下で緊急ESSを施行した鼻性頭蓋内合併症の3症例
著者: 松本幸江1 足立有希1 板東秀樹1 内田真哉1 牛嶋千久1 出島健司1
所属機関: 1京都第二赤十字病院耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.513 - P.517
文献購入ページに移動鼻性頭蓋内合併症は,抗菌薬の進歩とともに著しく減少し,近年では遭遇する機会も減少している。しかし,発症すると重篤な状態へ移行してゆく可能性も高く,常に念頭において日常診療に臨む必要がある。また全身状態が不良な状況では,脳病変にたまたま副鼻腔陰影が合併した可能性や,インフォームド・コンセントの問題から,積極的な手術加療をためらい萎縮医療になりがちである。今回われわれは,鼻性頭蓋内合併症から急性期播種性血管内凝固症候群(disseminated intravascular coagulation:DIC)を発症し,全身状態の重篤ななかで,緊急にendoscopic sinus surgery(ESS)を施行して良好な結果を得た症例を経験したので,3例の症例の報告とともに若干の文献的考察を加えて報告する。
参考文献
掲載誌情報