耳鼻咽喉科・頭頸部外科82巻9号

2010年08月発行

原著

当科における深頸部膿瘍症例の検討

著者： 川上美由紀¹ 本吉和美² 鵜久森徹² 高橋宏尚² 脇坂浩之²

所属機関： ¹松山赤十字病院耳鼻咽喉科 ²愛媛大学医学部耳鼻咽喉科

ページ範囲：P.613 - P.617

文献概要

Ⅰ　はじめに

　抗菌薬が普及した今日，重篤な感染症症例に接する機会は多くないが，高齢者や基礎疾患をもつ症例では縦隔膿瘍を伴う深頸部膿瘍例などの感染重篤化例をしばしば経験する。初期対応の遅れが致死的な結果につながることもあることから，深頸部膿瘍に対しては速やかな診断と適切な初期治療が重要であると考えられる。今回われわれは過去4年間に当科で経験した深頸部膿瘍症例について，患者背景，原因疾患，膿瘍の範囲，治療と経過，ガス産生と起炎菌，基礎疾患や合併症の有無などについて検討したので報告する。

参考文献

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