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原著
結核性中耳炎の1症例
著者: 大淵豊明1 鈴木秀明1 森貴稔1 永谷群司1 寳地信介1 大久保淳一1 増田理佐1 武永芙美子1 三箇敏昭1 橋田光一1
所属機関: 1産業医科大学医学部耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.773 - P.776
文献購入ページに移動結核性中耳炎は,一般細菌による慢性中耳炎との鑑別がしばしば困難であり,医師が診断に至るまでの期間(doctor's delay)が遷延する傾向がある1)。このため結核の感染拡大という公衆衛生上の重大な問題を招く危険性があり,早期診断と治療がきわめて重要となる。しかし発症初期においては結核性中耳炎に特徴的な所見は乏しく,診断に苦慮することも少なくない1~7)。今回われわれは,難治性慢性中耳炎の臨床経過を呈したものの,比較的早期に診断に至った結核性中耳炎症例を経験したので,文献的考察を加えて報告する。
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