icon fsr

文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科83巻10号

2011年09月発行

文献概要

原著

結核性中耳炎の1症例

著者: 大淵豊明1 鈴木秀明1 森貴稔1 永谷群司1 寳地信介1 大久保淳一1 増田理佐1 武永芙美子1 三箇敏昭1 橋田光一1

所属機関: 1産業医科大学医学部耳鼻咽喉科

ページ範囲:P.773 - P.776

文献購入ページに移動
Ⅰ はじめに

 結核性中耳炎は,一般細菌による慢性中耳炎との鑑別がしばしば困難であり,医師が診断に至るまでの期間(doctor's delay)が遷延する傾向がある1)。このため結核の感染拡大という公衆衛生上の重大な問題を招く危険性があり,早期診断と治療がきわめて重要となる。しかし発症初期においては結核性中耳炎に特徴的な所見は乏しく,診断に苦慮することも少なくない1~7)。今回われわれは,難治性慢性中耳炎の臨床経過を呈したものの,比較的早期に診断に至った結核性中耳炎症例を経験したので,文献的考察を加えて報告する。

参考文献

1)小島博己・他:最近の中耳結核症例の検討.耳展 51:33-42,2008
2)中島崇博・他:結核性中耳炎の3症例.頭頸部外科 15:139-143,2005
3)牧野伸子・他:中耳,上咽頭併発結核の2症例.耳喉頭頸 71:747-749,1999
4)木内庸雄・他:結核性中耳炎の1症例.耳喉頭頸 73:395-399,2001
5)永雄裕美子・他:両側結核性中耳炎例.耳鼻臨床 95:603-607,2002
6)坂本雅之・他:鼓室形成術後に判明した結核性中耳炎例.耳鼻臨床 93:715-718,2000
7)丹生健一・他:顔面神経麻痺を初発症状とした上咽頭・中耳結核例.耳鼻臨床 98:356-357,2005
8)児玉悟・他:難治性中耳炎をどう扱うか―結核性中耳炎.JOHNS 19:689-693,2003
9)西池季隆・他:結核性中耳炎7症例の検討.日耳鼻 103:1263-1271,2000
10)葉山貴司・他:PCR法にて診断した結核性中耳炎.耳展 44:206-209,2001
11)和田忠彦・他:難治性耳漏を伴った中耳結核の2例.耳鼻臨床 102:1011-1015,2009
12)Blumberg HM, et al:American Thoracic Society/Centers for Disease Control and Prevention/Infection Disease Society of America:treatment of tuberculosis. Am J Respir Crit Care Med 167:603-662, 2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?