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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科83巻11号

2011年10月発行

原著

完全型側頸瘻に対するナイロン糸ガイド下摘出術

著者: 大塩猛人1

所属機関: 1国際医療福祉大学病院小児外科

ページ範囲:P.853 - P.857

文献概要

Ⅰ はじめに

 第二鰓裂由来の完全型側頸瘻は頸部では胸鎖乳突筋の下1/3前縁に,口腔側では口蓋扁桃にそれぞれ開口する。治療の原則は外科的摘出術である。一般に,頸動脈・静脈そして神経系の損傷を避けるために前頸部を切開して直視下に瘻管のみを剝離摘出する1)。症例によっては瘻孔開口部以外に追加の切開が必要である1)

 筆者は既に瘻管内に通したナイロン糸の口腔側に小ガーゼ球を結紮して頸部側から牽引しつつ瘻管のみを摘出する術式を発表した2~4)。今回,小さい口腔の乳幼児において,中空のbiopsy punchを用い口腔内手術操作を簡便とする術式を考案したので報告する。

参考文献

1)江崎治夫・他:側頸囊胞および頸瘻の手術.現代外科手術学体系第6巻,頸部の手術.中山書店,東京,1982,pp74-81
2)大塩猛人・他:側頸瘻に対するナイロン糸挿入ガイド下手術.小児外科 30:1273-1277,1998
3)Oshio T, et al:A new fistulectomy method for the second pharyngeal arch remnants. J Pediatr Surg 40:1784-1787, 2005
4)大塩猛人:側頸瘻摘出術.小児外科 38:1463-1466,2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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