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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科83巻11号

2011年10月発行

文献概要

鏡下囁語

柴苓湯が著効したメニエール病の1例―構成生薬レベルでの考察

著者: 瀬戸口壽一1 青山理加1

所属機関: 1瀬戸口耳鼻咽喉科医院

ページ範囲:P.883 - P.885

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Ⅰ.はじめに

 メニエール病に対し,柴苓湯が有効であるという論文は枚挙にいとまがない1,2)。柴苓湯は小柴胡湯と五苓散の合方で,小柴胡湯の証に浮腫,嘔吐,口渇,発汗などの水腫,水毒を伴う例に有効である。一方,メニエール病はその原因の80%が内リンパ腫と考えられていることから,柴苓湯のメニエール病への効果が期待されている3)

 今回,柴苓湯が著効したメニエール病の1例を経験し,柴苓湯がどのような薬効でメニエール病に有効なのか生薬レベルで検討したので報告する。

参考文献

1)神永千織・他:メニエール病に対するツムラ柴苓湯の使用経験.Prog Med 11:3117-3120,1991
2)横田 明:めまいに対するツムラ柴苓湯の臨床的効果.Prog Med 12:291-296,1992
3)野末道彦・他:めまいの初期診療,6.篠原出版,東京,1987
4)朴沢二郎:小麦粉が原因と思われたメニエール病症例.JOHNS 11:882-225,1995
5)高山宏世:腹証図解漢方常用処方解説.日本漢方振興会漢方三考塾,東京,2009,pp36-37
6)大塚恭男・他:東洋医学大事典.講談社,東京,1987,pp312-321
7)浅岡俊之:基礎からわかる漢方講座.ツムラ,東京,2006,pp48-50

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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