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文献概要
特集 治りにくい症状への対応
治りにくいにおい・味の異常
著者: 任智美1 阪上雅史1
所属機関: 1兵庫医科大学耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.1019 - P.1024
文献購入ページに移動Ⅰ.はじめに
従来,嗅覚・味覚障害は他の感覚障害と比較して重要視されず,基礎・臨床研究に遅れが否めない領域であった。近年,quality of life(QOL)への要求が増すにつれて嗅覚・味覚異常で医療機関を受診する患者が増加してきた。それとともに基礎研究は飛躍的に進んできている。しかし,いまだ臨床に関しては治療法の選択肢は少なく,基本的な治療に抵抗する症例では対応に苦渋することが多い。
嗅覚・味覚障害はさまざまな要因によって改善率や予後は異なる。近年,症例が集積してきたことで予後因子や改善率についての臨床報告も増加し,明らかにされつつある。
通常,嗅覚・味覚障害の治療期間は6か月間を目安にすることが多いが,転帰をいつ決定するか判断は難しい。治療直後には改善せず,嗅覚・味覚脱失で,その後,無治療のまま経過したにもかかわらず,数年後には改善した例も経験することから「もう治らない」と決めつけてしまうのも問題である。
今回は嗅覚・味覚障害の予後を予測する因子を列挙し,治療や対応について言及していきたい。
従来,嗅覚・味覚障害は他の感覚障害と比較して重要視されず,基礎・臨床研究に遅れが否めない領域であった。近年,quality of life(QOL)への要求が増すにつれて嗅覚・味覚異常で医療機関を受診する患者が増加してきた。それとともに基礎研究は飛躍的に進んできている。しかし,いまだ臨床に関しては治療法の選択肢は少なく,基本的な治療に抵抗する症例では対応に苦渋することが多い。
嗅覚・味覚障害はさまざまな要因によって改善率や予後は異なる。近年,症例が集積してきたことで予後因子や改善率についての臨床報告も増加し,明らかにされつつある。
通常,嗅覚・味覚障害の治療期間は6か月間を目安にすることが多いが,転帰をいつ決定するか判断は難しい。治療直後には改善せず,嗅覚・味覚脱失で,その後,無治療のまま経過したにもかかわらず,数年後には改善した例も経験することから「もう治らない」と決めつけてしまうのも問題である。
今回は嗅覚・味覚障害の予後を予測する因子を列挙し,治療や対応について言及していきたい。
参考文献
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