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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科83巻13号

2011年12月発行

文献概要

原著

皮膚瘻孔を伴った腺腫様甲状腺腫の1例

著者: 中屋宗雄1 大貫裕香1 木田渉1 白石藍子1 藤本千里1 渡辺健太1 阿部和也1

所属機関: 1東京都立多摩総合医療センター耳鼻咽喉科・頭頸部外科

ページ範囲:P.1039 - P.1041

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Ⅰ はじめに

 甲状腺疾患において,前頸部の皮膚瘻孔をきたしうるものとして,悪性腫瘍や結核1,2)によるものがあるが,通常,皮膚瘻孔は治療することなく改善することはない。今回,われわれは前頸部皮膚の発赤・瘻孔を主訴に来院し,甲状腺癌が疑われた症例で,本人の強い希望で経過観察したところ,自然経過により皮膚の発赤・瘻孔が改善した稀な症例を経験したので報告する。

参考文献

1)坂本耕二・他:皮膚瘻孔を伴い結核の関与が疑われた腺腫様甲状腺腫の一例.頭頸部外科 17:255-259,2007
2)渡辺健太・他:診断まで長期間を要した甲状腺結核の1例.耳喉頭頸 82:881-884,2010
3)小林祐希・他:右側下咽頭梨状陥凹瘻例.耳鼻臨床 102:1045-1048,2009
4)Pal I, et al:Benign calcified thyroid cyst with skin sinus formation. Laryngoscope 118:75-77, 2008
5)藤田健一郎・他:深頸部蜂窩織炎へ進展した甲状腺腫瘍内出血の1症例.日気食 56:360-364,2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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