icon fsr

文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科83巻2号

2011年02月発行

特集 診療所における工夫―私はこうしている

耳管通気の工夫

著者: 夜久有滋1

所属機関: 1夜久耳鼻咽喉科医院

ページ範囲:P.121 - P.125

文献概要

Ⅰ.はじめに

 保険点数を伴い,医師自身が行ういわゆる『耳管処置』には金属性の耳管カテーテルを用いたカテーテル通気法とゴム製のポリッエル球を使用するポリッエル通気法がある。ともに耳鼻咽喉科診療所では頻回に行われる処置である。カテーテル通気時には患者は鼻腔の違和感や痛みを伴うために施行した医師の技量の評価につながるので,技術の習熟が必要なことは言をまたない。

 カテーテル通気法の他の問題として,通気音の聴取がオトスコープを介して医師と患者の間のみであり,第三者が同時に聴取できず,客観性に欠ける点がある。また最大の欠点は多数の患者に耳管処置を行う場合はオトスコープの使用は医師にとって大変煩わしいことである。また医師,患者双方にオトスコープのプローブを介して外耳道感染症などを引き起こす可能性もある。これらの解決策として筆者は医師側がオトスコープを使用しなくても通気音が聴取できる自称『耳管通気音モニター』を自作して使用している。

 ポリッエル通気法では同一器具を繰り返し使用することで,器具先端部からの鼻汁の吸い込みなどに伴う院内感染の危険性が挙げられる。またポリッエルのゴム球を頻回握り締めることによる医師側の手腕の疲労も生じる。これも診療所で日々行っていると無視できない問題となる。この解決策として,筆者は小児の鼻汁吸引に用いるガラス製のオリーブをポリッエルの代わりに使用する『オリーブ通気法』を行っている。

 以下,この2点について紹介する。

参考文献

1)夜久有滋・他:耳管通気モニター.医器学 62:213,1992
2)夜久有滋・他:耳管通気モニター(Audio Visual Ventilation Monitor)の作成と使用経験.Otol Jpn 2:408,1992

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら