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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科83巻2号

2011年02月発行

文献概要

特集 診療所における工夫―私はこうしている

睡眠時無呼吸症候群への対応

著者: 佐藤公則1

所属機関: 1佐藤クリニック耳鼻咽喉科・頭頸部外科・睡眠呼吸障害センター

ページ範囲:P.133 - P.140

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Ⅰ.はじめに

 閉塞性睡眠時無呼吸症候群(obstructive sleep apnea syndrome:OSAS)に対して耳鼻咽喉科・頭頸部外科医は良質の医療を提供できると筆者は確信している。その理由は,耳鼻咽喉科・頭頸部外科(以下,耳鼻咽喉科とする)は上気道を専門領域にしている診療科であること,外科的治療を行う耳鼻咽喉科は内科的治療を含めた集学的治療をOSASに対して行えることである。

 他科との境界領域・集学的治療が必要な領域を診療する際には,①患者に対してより質の高い医療が耳鼻咽喉科から提供されなければならない,②関連診療科の医師,医療関係者から必要とされる耳鼻咽喉科にならねばならない,③患者および医療関係者への耳鼻咽喉科診療の情報提供と啓蒙活動(広報)が大切であると考えており,当院でもこの理念に基づいたOSASに対する診療を心がけている。

 耳鼻咽喉科医はOSASの診療においてさらなる貢献ができると考えている。診療所におけるOSAS診療に対する筆者の工夫を述べる。

参考文献

1)米国睡眠医学会,日本睡眠学会診断分類委員会(訳):睡眠障害国際分類(第2版)診断とコードの手引き.医学書院,東京,2010
2)佐藤公則:日本睡眠学会認定医療機関としての耳鼻咽喉科診療所における睡眠医療への取り組み.耳展 51:175-180,2008
3)佐藤公則:睡眠時無呼吸症候群の集学的治療.口腔科 19:171-180,2007
4)佐藤公則:集学的治療の一環として行う経鼻的持続陽圧呼吸(CPAP)療法.日耳鼻 108:150-156,2005
5)佐藤公則:睡眠時無呼吸症候群に対する集学的治療の一環として行った口腔装置治療.耳展 48:298-304,2005
6)佐藤公則・他:閉塞型睡眠時無呼吸症候群に対する自動圧調整CPAP装置を用いたnCPAP療法の治療圧設定(タイトレーション).日耳鼻 107:494-499,2004
7)佐藤公則:口腔装具による睡眠時無呼吸症候群の治療―耳鼻咽喉科医としての取り組み.日耳鼻 106:150-155,2003
8)佐藤公則:標榜診療科としての耳鼻咽喉科・頭頸部外科―患者と医療関係者への啓蒙の必要性.JOHNS 25:1694-1696,2009
9)Sato K, et al:Human adult deglutition during sleep. Ann Otol Rhinol Laryngol 115:334-339, 2006
10)Sato K, et al:Sleep-related deglutition in children. Ann Otol Rhinol Laryngol 116:747-753, 2007
11)Sato K, et al:Sleep-related deglutition in patients with sleep apnea-hypopnea syndrome. Ann Otol Rhinol Laryngol 118:30-36, 2009
12)Sato K, et al:Deglutition and respiratory patterns during sleep in younger adults. Acta Oto-Laryngol, 2010(in press)
13)Sato K, et al:Sleep-related deglutition in patients with OSAHS under CPAP therapy. Acta Oto-Laryngol, 2010(in press)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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