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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科83巻3号

2011年03月発行

特集 耳鼻咽喉科専門研修をはじめる医師へ―疼痛への対応

癌性疼痛―頭頸部癌

著者: 下山直人1 尾澤芳子1 下山恵美2

所属機関: 1栃木県立がんセンター手術部 2帝京大学ちば総合医療センター麻酔科

ページ範囲:P.208 - P.212

文献概要

Ⅰ.はじめに

 癌性疼痛に対するガイドラインとして,WHOが1986年に発表した癌疼痛治療指針1)(以下,WHO方式と略す)があり,モルヒネを中心としたオピオイドによる癌性疼痛マネジメントが現在でもスタンダードとなっている。WHO方式では,身体的な痛みだけを緩和するのではなく,心理的,社会的,スピリチュアルな痛みを含めた全人的な痛みの緩和の重要性が強調されている。頭頸部癌患者の痛みにおいては,その他の癌患者に比べ,外見の変貌,コミュニケーション障害,薬剤の投与経路の問題など,頭頸部癌患者特有の多くの複雑な問題もあり,それらが痛みの強さ,疼痛治療の困難さにも影響を与える可能性があり,全人的な痛みの緩和は特に重要である。本稿では一般的ながん疼痛マネジメント,頭頸部癌患者特有の痛み,治療上の問題点に対する対策を含めた緩和ケアの実践について述べる。

参考文献

1)武田文和(訳):WHO方式がん疼痛治療法(がんの痛みからの解放).金原出版,東京,1987,p45
2)高橋秀徳・他:モルヒネ,フェンタニル,オキシコドンを使い分ける(オピオイドローテーション).モダンフィジシャン 26:1210-1211,2006
3)武田文和(監訳):トワイクロス先生のがん患者の症状マネジメント.鎮痛補助薬,医学書院,東京,2003,p61
4)下山直人・他:鎮痛補助薬の特徴と使い方.今月の治療 8(3):56-61,2000
5)下山直人・他:頭頸部がんの痛みの特徴と治療.ターミナルケア 10:11-16,2000
6)横田敏勝:臨床医のための痛みのメカニズム.南江堂,東京,1997,p55
7)下山直人・他:がん治療における副作用対策としての統合医療の役割.病院 68:904-907,2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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