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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科83巻4号

2011年04月発行

文献概要

特集 特殊疾患への対応

Wegener肉芽腫症

著者: 鈴木正志1 能美希1

所属機関: 1大分大学医学部耳鼻咽喉科

ページ範囲:P.295 - P.300

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Ⅰ.はじめに

 Wegener肉芽腫症は原因不明の疾患で,上気道,下気道,腎などに肉芽腫を伴う壊死性血管炎を特徴とする疾患である。なかでも約8割の患者が頭頸部領域の諸症状を主訴とし,初発症状は上気道病変から始まることが多いため1),耳鼻咽喉科医が遭遇する機会の多い疾患である。しかしながら,上気道に限局した症例ではPR-3 ANCA陰性の症例や病理学的に血管炎の診断が困難な症例,診断基準にあたらない症例なども多く治療に難渋することも少なくない2)。本稿では耳鼻咽喉科領域のWegener肉芽腫症の概要について自験例を交えて述べる。

参考文献

1)Sproson EL, et al:Lessons learnt in the management of Wegener's granulomatosis:long-term follow-up of 60 patients. Rhinology 45:63-67, 2007
2)立山香織・他:さまざまな副鼻腔病変を呈したWegener肉芽腫3例―CT所見の検討.耳鼻臨床 103:713-720,2010
3)矢野哲郎・他:Wegener肉芽腫症の壊死性鼻炎・副鼻腔炎の特徴―内科医より.53:S119-S130,1996
4)Gottschlich S, et al:Head and neck manifestations of Wegener's granulomatosis. Rhinology 44:227-233, 2006
5)Lloyd G, et al:Rhinologic change in Wegener's granulomatosis. J Laryngol Otol 116:565-569, 2002
6)松原 修・他:Wegener肉芽腫症の壊死性鼻炎・副鼻腔炎の特徴―病理より.53:S108-S118,1996

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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