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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科83巻7号

2011年06月発行

文献概要

目でみる耳鼻咽喉科

舌癌との鑑別に難渋した正中菱形舌炎の1例

著者: 内藤武彦1 鈴木宏明1 小口智啓1 岩崎聡2 宇佐美真一1

所属機関: 1信州大学医学部耳鼻咽喉科学講座 2信州大学医学部附属病院人工聴覚器学講座

ページ範囲:P.454 - P.456

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Ⅰ.はじめに

 正中菱形舌炎は舌背部正中後方1/3の部位に生じる非炎症性の病変とされるが,癌化との比較的強い関連があるとする報告もある1)。一方,舌癌からみると,舌背舌癌は稀で,また類似する良性および前癌病変が多いため,臨床的に診断するのは困難で診断に難渋することが指摘されている2)。したがって,舌背病変の適切な診断,治療には外科的切除を考慮するべき場合もあると考えられる。今回われわれは,舌背正中にビロード様の隆起性病変を呈し,外来生検で扁平上皮癌と診断されたが,摘出病変の最終病理で高度異形成を伴った慢性炎症と診断されたまれな症例を経験したので呈示する。

参考文献

1)吉冨 泉・他:舌背正中部に発生した扁平上皮癌の1例.日口腔外会誌 51:244-247,2005
2)Goldenberg D, et al:Carcinoma of the dorsum of the tongue. Head Neck 22:190-194, 2000
3)道 健一・他:口腔粘膜疾患および類似疾患.口腔顎顔面疾患カラーアトラス.永末書店,京都,2000
4)George SS, et al:Carcinoma arising in glossitis rhombica mediana. Cancer 11:148-150, 1958
5)Lam KH, et al:Carcinoma of the tongue:factors affecting the results of surgical treatment. Br J Surg 67:101-105, 1980
6)渋谷均:舌癌―放射線科の立場から―.耳鼻咽喉科診療プラクティス 頸部腫瘍治療におけるDecision Making.岸本誠司(編).文光堂,東京,2001,pp116-119

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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