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目でみる耳鼻咽喉科
舌癌との鑑別に難渋した正中菱形舌炎の1例
著者: 内藤武彦1 鈴木宏明1 小口智啓1 岩崎聡2 宇佐美真一1
所属機関: 1信州大学医学部耳鼻咽喉科学講座 2信州大学医学部附属病院人工聴覚器学講座
ページ範囲:P.454 - P.456
文献購入ページに移動正中菱形舌炎は舌背部正中後方1/3の部位に生じる非炎症性の病変とされるが,癌化との比較的強い関連があるとする報告もある1)。一方,舌癌からみると,舌背舌癌は稀で,また類似する良性および前癌病変が多いため,臨床的に診断するのは困難で診断に難渋することが指摘されている2)。したがって,舌背病変の適切な診断,治療には外科的切除を考慮するべき場合もあると考えられる。今回われわれは,舌背正中にビロード様の隆起性病変を呈し,外来生検で扁平上皮癌と診断されたが,摘出病変の最終病理で高度異形成を伴った慢性炎症と診断されたまれな症例を経験したので呈示する。
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