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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科83巻7号

2011年06月発行

特集 こんなときどうする?―頭頸部外科編

頸動脈小体腫瘍摘出術における動脈性出血への対応

著者: 冨田俊樹1 尾原秀明2

所属機関: 1慶應義塾大学医学部耳鼻咽喉科 2慶應義塾大学医学部一般消化器外科

ページ範囲:P.457 - P.460

文献概要

Ⅰ.概説

 頸動脈小体腫瘍は頸動脈分岐部の外膜周囲に存在する化学受容体から発生する。病理組織学的には非クロム親和性傍神経節から生じる傍神経節腫であり,多くは良性である。血流豊富であるうえに周囲の脳神経や頸動脈壁に癒着していることがあり,その摘出は頭頸部外科において最も難しい手術の一つである。

 Shamblinら1)は手術所見から頸動脈小体腫瘍を3群に分類した。すなわち,頸動脈壁から容易に剝離できる腫瘍をgroup Ⅰ,部分的に頸動脈を取り囲み外膜と癒着したものをgroup Ⅱ,分岐部全周に癒着し血管の合併切除が必要なものをgroup Ⅲとした。この分類は手術の難易度を反映するため,現在でも広く用いられている。

参考文献

1)Shamblin WR, et al:Carotid body tumor(chemodectoma). Clinicopathologic analysis of ninety cases. Am J Surg 122:732-739, 1971
2)Meyer FB, et al:Carotid body tumors:a subject review and suggested surgical approach. J Neurosurg 64:377-385, 1986
3)冨田俊樹・他:頸動脈小体腫瘍に対する集学的アプローチ―自験例5例の診断と治療.日耳鼻 110:743-751,2007
4)松本賢治・他:下大静脈.血管損傷―頸部・胸部・腹部.現代医療社,東京,1998:pp227-232.
5)尾原秀明・他:手術手技―基本手技―血管の扱い方.臨泌 63:51-57,2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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