文献詳細
特集 こんなときどうする?―頭頸部外科編
頸動脈小体腫瘍摘出術における動脈性出血への対応
著者: 冨田俊樹1 尾原秀明2
所属機関: 1慶應義塾大学医学部耳鼻咽喉科 2慶應義塾大学医学部一般消化器外科
ページ範囲:P.457 - P.460
文献概要
頸動脈小体腫瘍は頸動脈分岐部の外膜周囲に存在する化学受容体から発生する。病理組織学的には非クロム親和性傍神経節から生じる傍神経節腫であり,多くは良性である。血流豊富であるうえに周囲の脳神経や頸動脈壁に癒着していることがあり,その摘出は頭頸部外科において最も難しい手術の一つである。
Shamblinら1)は手術所見から頸動脈小体腫瘍を3群に分類した。すなわち,頸動脈壁から容易に剝離できる腫瘍をgroup Ⅰ,部分的に頸動脈を取り囲み外膜と癒着したものをgroup Ⅱ,分岐部全周に癒着し血管の合併切除が必要なものをgroup Ⅲとした。この分類は手術の難易度を反映するため,現在でも広く用いられている。
参考文献
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