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特集 こんなときどうする?―頭頸部外科編
耳下腺腫瘍摘出中,顔面神経を切断してしまった!
著者: 河田了1
所属機関: 1大阪医科大学耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.469 - P.472
文献購入ページに移動Ⅰ.はじめに
耳下腺良性腫瘍では,ごく稀な場合を除いて「顔面神経切断」はあってはならない。ましてやタイトルにあるように「顔面神経を切断してしまった!」というような慌てた事態はどうしても避けなければならない。しかし一方,特に本術式に慣れてないときは,顔面神経がなかなか同定できず,ひょっとしてすでに切断してしまったのではないかという不安に陥ることがある。これまで幸い良性腫瘍手術で顔面神経を誤って切断してしまった経験はないが,そのような事態に陥らないための工夫あるいは陥ったときの準備は常にしているつもりである。
本稿では顔面神経を切断してしまわないように安全,確実に本幹を同定する方法,同定が困難な場合の対処,切断してしまったときの対応などについて述べる。
耳下腺良性腫瘍では,ごく稀な場合を除いて「顔面神経切断」はあってはならない。ましてやタイトルにあるように「顔面神経を切断してしまった!」というような慌てた事態はどうしても避けなければならない。しかし一方,特に本術式に慣れてないときは,顔面神経がなかなか同定できず,ひょっとしてすでに切断してしまったのではないかという不安に陥ることがある。これまで幸い良性腫瘍手術で顔面神経を誤って切断してしまった経験はないが,そのような事態に陥らないための工夫あるいは陥ったときの準備は常にしているつもりである。
本稿では顔面神経を切断してしまわないように安全,確実に本幹を同定する方法,同定が困難な場合の対処,切断してしまったときの対応などについて述べる。
参考文献
1)河田 了:耳下腺手術.頭頸部外科 16:51-54,2006
2)河田 了:耳下腺手術における顔面神経本幹の見つけ方.耳鼻臨床 100:418-419,2007
3)河田 了:唾液腺腫瘍―その取扱いをめぐって.唾液腺手術時の顔面神経の扱いは.JOHNS 26:226-230,2010
4)河田 了:カラー図説;電気メスを用いた活用した耳下腺手術.耳鼻臨床 96:948-949,2003
5)河田 了:私が愛用する手術器具.モノポーラ電気メス.JOHNS 25:259-262,2009
6)Kawata R, et al:Safety and usefulness of an electric knife during surgery for parotid benign tumor:postoperative facial paresis and its risk factors. Acta Otolaryngologica 127:966-969, 2007
7)河田 了・他:切除不適応と判断した耳下腺多形腺腫2症例.耳鼻臨床 90:443-447,1997
8)河田 了:顎下部郭清術にための臨床解剖.JOHNS 24:501-504,2008
9)古田 康・他:耳下腺癌切除後の顔面神経再建の現状および術後評価.頭頸部癌 35:213-216,2009
10)吉原俊雄:唾液腺腫瘍―その取扱いをめぐって.唾液腺腫瘍の治療における問題点―唾液腺手術の合併症とその予防は.JOHNS 26:231-236,2010
11)村上信五:術中・術後の顔面神経の処理.耳下腺腫瘍臨床の最前線 Q & A,山下敏夫(編).金原出版,東京,2004,pp124-128
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