文献詳細
文献概要
特集 こんなときどうする?―頭頸部外科編
経口的腫瘍摘出中,下咽頭に穿孔が!
著者: 冨藤雅之1 塩谷彰浩1
所属機関: 1防衛医科大学校耳鼻咽喉科学講座
ページ範囲:P.478 - P.480
文献購入ページに移動Ⅰ.はじめに
咽喉頭腫瘍に対する経口的咽喉頭部分切除術は喉頭機能温存療法のなかでも治療による侵襲が少なく,術後の回復も速やかであり,適切に症例を選択すれば疾患のコントロールも良好である1~4)。近年多くの施設で導入されつつある術式であるが,少ないながらも手術合併症を起こすこともある。合併症として起こりうるものとしては,術中・術後出血,気導浮腫,創傷治癒のトラブル,嚥下障害,咽頭の穿孔などが考えられる。本稿では経口的咽喉頭部分切除術における咽頭穿孔への対応について解説する。
咽喉頭腫瘍に対する経口的咽喉頭部分切除術は喉頭機能温存療法のなかでも治療による侵襲が少なく,術後の回復も速やかであり,適切に症例を選択すれば疾患のコントロールも良好である1~4)。近年多くの施設で導入されつつある術式であるが,少ないながらも手術合併症を起こすこともある。合併症として起こりうるものとしては,術中・術後出血,気導浮腫,創傷治癒のトラブル,嚥下障害,咽頭の穿孔などが考えられる。本稿では経口的咽喉頭部分切除術における咽頭穿孔への対応について解説する。
参考文献
1)塩谷彰浩:表在癌の新しい対応―中下咽頭表在癌の治療―経口的咽喉頭部分切除術(TOVS)の応用.耳喉頭頸 82:777-781,2010
2)冨藤雅之・他:喉頭癌・中下咽頭癌に対する経口的咽喉頭部分切除術(TOVS).頭頸部癌 36:461-465,2010
3)冨藤雅之・他:内視鏡診断と内視鏡手術 声門上癌,下咽頭癌に対する経口的喉頭・下咽頭部分切除術.日気食 61:160-167,2010
4)Shiotani A, et al:Videolaryngoscopic transoral en bloc resection of supraglottic and hypopharyngeal cancers using laparoscopic surgical instruments. Ann Otol Rhinol Laryngol 119:225-243, 2010
5)Moore KL, et al:Clinical Oriented Anatomy, 5th ed. Lippincott Williams & Wilkins, Philadelphia, 2006, pp1050-1051
6)Vilaseca-González I, et al:Complications in transoral CO2 laser surgery for carcinoma of the larynx and hypopharynx. Head Neck 25:382-388, 2003
7)Moore EJ, et al:Concurrent neck dissection and transoral robotic surgery. Laryngoscope 121:541-544, 2011
8)北村守正・他:下咽頭癌放射線治療後のサルベージESD術後4週間で発症した咽後・縦隔膿瘍例.耳鼻咽喉科臨床(補冊) 128:148,2010
掲載誌情報