耳鼻咽喉科・頭頸部外科83巻7号

2011年06月発行

原著

前頭洞転移を契機に発見された進行胃癌の1例

著者： 岡部宇彦¹ 井口広義¹ 小西一夫¹ 山根英雄¹ 町田浩久² 大澤政彦³

所属機関： ¹大阪市立大学大学院医学研究科耳鼻咽喉病態学 ²大阪市立大学大学院医学研究科消化器内科 ³大阪市立大学医学部附属病院病理部

ページ範囲：P.493 - P.496

文献概要

Ⅰ　はじめに

　鼻副鼻腔腫瘍は原発性のものが大部分で，他部位からの転移性悪性腫瘍は比較的稀である。過去の文献的報告^1～8）によると，原発部位の約半数は腎であり，胃からの転移性悪性腫瘍はきわめて稀である。

　今回われわれは，右前頭部腫瘤を主訴として受診し，全身精査および病理組織学的検査の結果，原発巣が判明し，進行胃癌の前頭洞転移と考えられた症例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する。

参考文献

1）Barnes L, et al：Secondary tumors：WHO classification of tumors pathology & genetics head & neck tumors. eds by Barnes L, et al. IARCPress, Lyon, 2005, p80

2）Friedmann I, et al：Metastatic tumors in the ear, nose, and throat region. J Laryngol Otol 79：576-591, 1965

3）Berstein JM, et al：Metastatic tumors to the maxilla, nose, and paranasal sinuses. Laryngoscope 87：620-650, 1966

4）岡野　渉・他：胃癌鼻腔転移の1例．日鼻誌 46：314-318，2007

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6）岩武博也・他：篩骨洞転移により判明した肝細胞癌の一症例．耳鼻臨床（補） 9：121-126，1987

7）川上登史・他：頭頸部領域への転移癌の2症例．医療 39：358-362，2007

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