icon fsr

文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科83巻7号

2011年06月発行

原著

学童期に発症した小児嚥下障害の4症例

著者: 山内裕子13 伊藤裕之2 井田博幸3

所属機関: 1国立成育医療研究センターこころの診療部 2神奈川リハビリテーション病院耳鼻咽喉科 3東京慈恵会医科大学小児科

ページ範囲:P.497 - P.502

文献概要

Ⅰ はじめに

 小児の嚥下障害に関する報告の多くは,脳性麻痺にかかわるものであり,経口摂取方法,栄養管理,嚥下性肺炎の防止などが取り上げられることが多い1~4)。筆者らが渉猟した範囲では,1983年以降,学童期の脳血管障害や外傷,自己免疫性筋疾患による嚥下障害の報告は散見されるものの5~7),脳性麻痺に伴う嚥下障害以外の嚥下障害の治療やリハビリテーションに関する詳細な報告はない。今回われわれは脳血管障害や外傷により嚥下障害を起こした学童期小児症例を治療する機会を得たので若干の文献的考察を加えて報告する。

参考文献

1)Arvedson JC, et al:Pediatric swallowing and feeding. Singular Pubulishing Group, San Diego California, 1993
2)笹沼澄子(編):11言語障害.リハビリテーション医学全書,医歯薬出版,東京,2001,pp227-356
3)千野直一・他:小児のリハビリテーション病態とライフステージへの対応―摂食,嚥下障害.金原出版,東京,2004
4)才藤栄一・他(監):摂食.嚥下リハビリテーション第2版,医歯薬出版,東京,2007
5)今井 満・他:呼吸困難,嚥下困難で発見された重症筋無力症の1例.小児科臨床 46:2494-2498,1993
6)西村 淳・他:重症筋無力症を合併した全身性エリテマトーデスの1小児例.脳と発達 29:390-395,1997
7)Tarallo MR, et al:The Guillain-Barré syndrome in childhood. Pediatr Med Chir 17:283-285, 1995
8)伊藤裕之・他:嚥下障害の治療の試み―気管開窓例について.耳展 33:23-27,1990
9)伊藤裕之・他:嚥下障害における下咽頭の衛生の意義.耳展 40:641-643,1994
10)伊藤康雅・他:顎関節症,咬合異常と頸椎のalignment.脊椎脊髄 21:1228-1232,2008
11)栗原まな:小児のリハビリテーション医学.医歯薬出版,東京,2006
12)奥山眞紀子(編):病気を抱えた子どもと家族への心のケア.日本小児医事出版,東京,2007
13)宮本 享・他:脳動静脈奇形.Brain Nerve 60:1103-1113,2008
14)Patterson JR, et al:Locked-in syndrome:a review of 139 cases. Stroke 17:758-764, 1986
15)Smith E, et al:Locked-in syndrome. BMJ 330:406-409, 2005
16)Katz RT, et al:Long-term survival, prognosis, and life-care planning for 29 patients with chronic locked-in syndrome. Arch Phys Med Rehabil 73:403-408, 1992
17)Casanova E, et al:Locked-insyndrome:improvement in the prognosis after an early intensive multi-disciplinary rehabilitation. Arch Phys Med Rehabil 84:862-867, 2003
18)寺山修史・他:長期にわたり回復を示したLocked-in syndrome(LIS)の1例.リハ医 43:843,2006
15)伊藤康雅・他:顎関節症,咬合異常と頸椎のalignment.脊椎脊髄 21:1228-1232,2008
16)栗原まな:小児のリハビリテーション医学.医歯薬出版,東京,2006
17)奥山眞紀子(編):病気を抱えた子どもと家族への心のケア.日本小児医事出版,東京,2007
19)Morgan AT:Dysphagia in childhood traumatic brain injury:a reflection on the evidence and its implications for practice. Dev Neurorehabil 13:192-203, 2010
20)Morgan AT, et al:Clinical progression and outcome of dysphagia following paediatric traumatic brain injury:a prospective study. Brain Inj 18:359-376, 2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら