文献詳細
特集 こんなときどうする?―耳科手術編
文献概要
Ⅰ.はじめに
手術による半規管損傷には2つの場合が想定できる。多くは真珠腫の手術において予期された半規管瘻孔の処理中に誤って膜迷路を開放してしまった場合であり,もう一方は稀ではあるが,乳突削開中に誤ってバーで半規管を損傷した場合である。前者についてはその対処法として多くの報告があるが,後者の報告は少なく教科書においても簡便な記載がなされているのみである。
本稿では全く予期できなかった手術合併症として,乳突削開中に誤ってバーで半規管を損傷した場合の対処法について対応と処理法を解説する。
手術による半規管損傷には2つの場合が想定できる。多くは真珠腫の手術において予期された半規管瘻孔の処理中に誤って膜迷路を開放してしまった場合であり,もう一方は稀ではあるが,乳突削開中に誤ってバーで半規管を損傷した場合である。前者についてはその対処法として多くの報告があるが,後者の報告は少なく教科書においても簡便な記載がなされているのみである。
本稿では全く予期できなかった手術合併症として,乳突削開中に誤ってバーで半規管を損傷した場合の対処法について対応と処理法を解説する。
参考文献
1)Dornhoffer JL, et al:Management of the open labyrinth. Otolaryngol Head Neck Surg 112:410-414, 1995
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