文献詳細
原著
咽頭から後頸傍椎部に刺入した木片異物小児例
著者: 森島亮1 金澤丈治1 今吉正一郎1 山際華子1 長友孝文1 石川浩太郎1 笹村佳美1 藤田晃史2 市村恵一1
所属機関: 1自治医科大学医学部耳鼻咽喉科学講座 2自治医科大学医学部放射線医学講座
ページ範囲:P.679 - P.683
文献概要
耳鼻咽喉科領域における外傷性異物は決して稀ではなく日常診療においてしばしば遭遇する疾患である。外傷性異物の診断では問診が極めて重要であり,詳細な病歴の聴取が異物の発見につながることが多い。しかしながら小児においては本人からの情報が得にくく周囲からの情報も正確とはいえない。このような場合,診断には画像所見が重要であるが,異物の種類や大きさによっては描出が難しく,特に,箸など木片異物はX線透過性であり診断が困難なことが多い。今回,われわれは病歴からは確証が得られなかったもののCTの詳細な検討により診断が可能で,外切開により摘出し得た菜箸による小児の頸部木片異物の症例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する。
参考文献
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