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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科84巻1号

2012年01月発行

文献概要

原著

進行上咽頭癌による頸動脈洞症候群の1例

著者: 橘智靖1 中田道広2 小河原悠哉1 松山祐子1 阿部郁1 橘元見3 皆木正人4

所属機関: 1姫路赤十字病院耳鼻咽喉科 2中田耳鼻咽喉科 3姫路赤十字病院循環器内科 4広島市民病院耳鼻咽喉科

ページ範囲:P.35 - P.38

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Ⅰ.はじめに

 頸動脈洞症候群は,頸動脈洞反射の異常亢進により失神発作を生じる疾患である。頸動脈洞症候群の原因はさまざまであるが,頭頸部癌においては腫瘍もしくはリンパ節転移により頸動脈洞が刺激され,頸動脈洞反射を生じうる。原疾患の根治が難しい場合には,繰り返す失神発作によって患者のQOLは著しく低下する。今回われわれは,進行上咽頭癌による頸動脈洞症候群に対して恒久ペースメーカー植え込み術を施行し,症状の改善が得られた症例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する。

参考文献

1)高橋牧郎・他:脳神経疾患と失神の関連.失神を究める,野原隆司(編).Medical View,東京,2009,pp198-208
2)樋口 聡・他:成人,高齢者.失神を究める,野原隆司(編).Medical View,東京,2009,pp113-120
3)寳地信介・他:喉頭癌再発による頸動脈洞症候群に対してペースメーカー治療を行った1例.耳鼻臨床 101:699-702,2008
4)新宮良介・他:上咽頭癌放射線治療後に発症し,AAI pacemakerが有効であったhypersensitive carotid sinus syndromeの1例.心臓 24:978-983,1992
5)前田法一・他:レートドロップレスポンス機能を有するペースメーカーと交感神経作動薬の併用療法が有効であった頸動脈洞症候群の1症例.心臓 31:725-730,1999
6)西崎光弘:神経作動性失神に対する治療.Heart View 10:1298-1305,2006
7)鈴木文恵・他:頸動脈洞症候群を呈した下咽頭癌の1例.山形県立病院医学雑誌 35:49-51,2001

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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