文献詳細
文献概要
原著
甲状腺腫瘍術後の創部圧迫の必要性に関する検討
著者: 中屋宗雄1 木村有貴1 大貫裕香1 大多和優里1 木田渉1 白石藍子1 藤本千里1 白柳玲子1 渡辺健太1 阿部和也1
所属機関: 1東京都立多摩総合医療センター耳鼻咽喉科・頭頸部外科
ページ範囲:P.55 - P.58
文献購入ページに移動甲状腺腫瘍手術では,病気や病期により甲状腺葉峡切除術や甲状腺全摘術が行われ,悪性腫瘍では気管傍リンパ節郭清術が追加して行われる。これらの術後の創処置の方法は,施設によってさまざまであり確立された方法はないが,多くの施設では,甲状腺術後において創部の圧迫固定を行っていると推測される。しかしながら,これらの手術の術後処置に関して検討された論文はわれわれが検索した範囲では存在しない。われわれの施設でも,一昨年まで創部の圧迫固定を行っていたが,昨年から創部の圧迫固定をやめている。その大きな理由は,圧迫固定による頸部の圧迫感やテープかぶれによる皮膚障害があるためである。今回われわれは,過去2年間に経験した甲状腺腫瘍手術症例の術後の創部圧迫の有無による治療後の経過を検討し,圧迫固定が必要か否かをretrospectiveに解析したので報告する。
参考文献
掲載誌情報