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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科84巻10号

2012年09月発行

文献概要

特集② 知っておきたい眼科の知識―専門医の診方・治し方

点眼薬―使用法と留意点

著者: 内尾英一1

所属機関: 1福岡大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.755 - P.758

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Ⅰ 抗菌薬

1.点眼薬の種類

 ベータラクタム系点眼薬はグラム陽性球菌に有効であるが,MRSAなどの耐性菌も多い。セフェム系はグラム陽性菌に加えて,緑膿菌(図1),セラチアなどの角膜潰瘍の原因菌として重要なグラム陰性桿菌にも有効である。この系統ではセフェノキシム(ベストロン®)が点眼剤として使用可能である。ペニシリン系点眼薬は以前にはあったが,今は販売されていない。アミノグリコシド系,テトラサイクリン系およびマクロライド系はクラミジアに有効性をもつ薬物が多い。ゲンタマイシン(ゲンタロール®など),ジベカシン(パニマイシン®),オキシテトラサイクリン(テトラゾール油性:酢酸ヒドロコルチゾンとの合剤)をはじめとして多数の点眼剤,軟膏剤がある。ニューキノロン系ではレボフロキサシン(クラビット®),ロメフロキサシン(ロメフロン®),トスフロキサシン(オゼックス®,トスフロ®)など現在広く眼科臨床で使用されている。ニューキノロン系点眼薬に防腐剤が含まれていないために,角膜上皮傷害作用が少なく,全般的な有効性は高い。

参考文献

1)感染性角膜炎診療ガイドライン作成委員会:感染性角膜炎診療ガイドライン.日眼会誌111:769-809,2007
2)砂田淳子・他:感染性角膜炎全国サーベイランス分離菌における薬剤感受性と市販点眼薬のpostantibiotic effectの比較.日眼会誌110:973-983,2006
3)大路正人・他:小児におけるステロイドレスポンダーの頻度.臨眼45:749-752,1992
4)Armaly MF:Statistical attributes of steroid hypertensive response in the clinically normal eye. Invest Ophthalmol Vis Sci 4:187-197, 1965

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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