文献詳細
原著
文献概要
Ⅰ.はじめに
炎症性疾患,腫瘍性疾患を問わず,鼻・副鼻腔疾患に対する外科的アプローチにおいて,鼻内内視鏡手術(endoscopic sinus surgery:ESS)は重要な位置を占めている。さまざまな機器の発達により,鼻・副鼻腔のほとんどの部位がESS下の操作で行えるようになっているが,膜様部を介しての操作では,上顎洞内すべての部位が操作できるわけではない。特に上顎洞の前方,上顎洞底は,膜様部からの内視鏡操作では手術操作が困難である。そこでわれわれはESSにおいて上顎洞前方,上顎洞底の操作ができるように,必要に応じて下鼻道から上顎洞を開放する下鼻道アプローチを行っている。
炎症性疾患,腫瘍性疾患を問わず,鼻・副鼻腔疾患に対する外科的アプローチにおいて,鼻内内視鏡手術(endoscopic sinus surgery:ESS)は重要な位置を占めている。さまざまな機器の発達により,鼻・副鼻腔のほとんどの部位がESS下の操作で行えるようになっているが,膜様部を介しての操作では,上顎洞内すべての部位が操作できるわけではない。特に上顎洞の前方,上顎洞底は,膜様部からの内視鏡操作では手術操作が困難である。そこでわれわれはESSにおいて上顎洞前方,上顎洞底の操作ができるように,必要に応じて下鼻道から上顎洞を開放する下鼻道アプローチを行っている。
参考文献
1)池田脩三・他:上顎洞穿刺法(下鼻道法)の臨床的研究.日耳鼻89:287-292.1986
2)太田 康・他:鼻涙管開口部の観察.日鼻誌45:337,2006
3)太田 康:内視鏡下副鼻腔手術における鼻涙管開口部の同定.耳喉頭頸79:548-550,2007
4)Krouse JH:Endoscopic treatment if inverted papilloma:safety and efficacy. Am J Ootlaryngol 22:87-99, 2001
5)Kamel RH:Transnasal endoscopic medial maxillectomy in inverted papilloma. Laryngscope 105:847-853, 1995
6)Sadeghi N, et al:Transnasal endoscopic medial maxillectomy for inverted papilloma. Laryngoscope 113:749-753, 2003
7)Sukenic MA, et al:Endoscopic medial maxillectomy for inverted papilloma of the paranasal sinuses. Value of the intraoperative endoscopic examination. Laryngoscope 110:39-42, 2000
8)若島純一:Transnasal Endoscopic Medial Maxillectomy 3例の経験 鼻副鼻腔乳頭腫に対する手術法.耳鼻臨床98:953-957, 2005
掲載誌情報