文献詳細
文献概要
鏡下囁語
Menièreの原著とその周辺 第五編 Menièreの症例報告(2)
著者: 飯沼壽孝1
所属機関: 1埼玉医科大学
ページ範囲:P.859 - P.862
文献購入ページに移動第五編の概要
Menièreは1861年9月21日の主論文が掲載される以前に症例を追加して三編の症例報告を行ったが第四編において2月9日の第一回を紹介した。本編では4月13日に掲載された第二回の症例報告を紹介する。本編でも主眼とすることはMenière病の確立の主張と裏付けとなる典型的な症例の呈示,ならびに鑑別診断である。第二回の症例報告と今回の症例報告の差はTrousseau医師の発表に触れて,彼とL'Hôtel-Dieu de Parisの医師たちの主張する卒中様脳充血を意識して記述していることと,鑑別診断の中にてんかんを含めていることである。第七編でこれに関連したTrousseau医師の1861年1月9日の「卒中様脳充血,てんかんとの関連において」と題する講演に対するMenièreの見聞録を紹介するが,今回の症例報告はその前触れである。本編では当時のてんかんの概念を当時の医学辞典の記載を基に紹介することを加える。
Menièreは1861年9月21日の主論文が掲載される以前に症例を追加して三編の症例報告を行ったが第四編において2月9日の第一回を紹介した。本編では4月13日に掲載された第二回の症例報告を紹介する。本編でも主眼とすることはMenière病の確立の主張と裏付けとなる典型的な症例の呈示,ならびに鑑別診断である。第二回の症例報告と今回の症例報告の差はTrousseau医師の発表に触れて,彼とL'Hôtel-Dieu de Parisの医師たちの主張する卒中様脳充血を意識して記述していることと,鑑別診断の中にてんかんを含めていることである。第七編でこれに関連したTrousseau医師の1861年1月9日の「卒中様脳充血,てんかんとの関連において」と題する講演に対するMenièreの見聞録を紹介するが,今回の症例報告はその前触れである。本編では当時のてんかんの概念を当時の医学辞典の記載を基に紹介することを加える。
参考文献
1)E. Bouchet et Armand Després:Dictinnaire de thérapeutique médicale et chirurgicale. Germer Baillière, Paris, 1867. pp.296-297
2)Edward Voury:DE LA MALADIE DE MÉNIÈRE. Thèse de Paris. Adrien Delahaye, Paris, 1874. p.29
掲載誌情報