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あとがき
著者: 小川郁
所属機関:
ページ範囲:P.1056 - P.1056
文献購入ページに移動 今年はロンドンオリンピックで大変盛り上がりましたが,もう一つ国を挙げて盛り上がるうれしいニュースが飛び込んできました。かねてから期待されていたノーベル生理学医学賞を山中伸弥京都大学教授が受賞しました。山中伸弥教授は1962年9月生まれですので50歳というノーベル生理学医学賞としては異例の若手現役研究者の受賞です。ちなみに日本人ノーベル受賞者で最も若かったのは1947年に当時42歳で物理学賞を受賞した湯川秀樹博士ですが,最近では2002年にノーベル化学賞を田中耕一博士が43歳で受賞しています。山中教授はあらゆる組織に成長する可能性を秘めたiPS細胞の作製に成功しましたが,将来性のある再生医療における最も重要で,かつ広い範囲での臨床応用が期待できる文句のつけようのない偉大な業績とみなされての受賞となりました。日本の政治や経済が低迷するなかでの素晴らしい受賞で,単に学術的な意義だけではなく日本人の元気を引き出す大きな偉業といえると思います。ぜひ,耳鼻咽喉科の分野でもiPS細胞による再生医療が実現されることを期待したいと思います。
さて,今月号の特集は「メニエール病Update」です。近年のストレス社会のなかでメニエール病は増加しており,治療に難渋することも多くなっています。メニエール病は1938年の山川博士とHallpike博士の側頭骨病理の報告から内リンパ水腫がその病態として考えられてきましたが,いまだその原因は明らかにはなっていません。本特集では山根英雄教授の新しい「球形囊耳石落下説」の解説から厚生労働省難治性疾患克服事業:前庭機能異常に関する調査研究班によるメニエール病の診療ガイドライン,さらにはさまざまな治療戦略までメニエール病の各研究分野のエキスパートに最前線の知見をまとめていただきました。原著論文も大変読み応えのある論文5編です。
さて,今月号の特集は「メニエール病Update」です。近年のストレス社会のなかでメニエール病は増加しており,治療に難渋することも多くなっています。メニエール病は1938年の山川博士とHallpike博士の側頭骨病理の報告から内リンパ水腫がその病態として考えられてきましたが,いまだその原因は明らかにはなっていません。本特集では山根英雄教授の新しい「球形囊耳石落下説」の解説から厚生労働省難治性疾患克服事業:前庭機能異常に関する調査研究班によるメニエール病の診療ガイドライン,さらにはさまざまな治療戦略までメニエール病の各研究分野のエキスパートに最前線の知見をまとめていただきました。原著論文も大変読み応えのある論文5編です。
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