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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科84巻2号

2012年02月発行

文献概要

特集 ワクチン

麻疹・風疹

著者: 齋藤義弘12

所属機関: 1東京慈恵会医科大学小児科学講座 2東京慈恵会医科大学附属葛飾医療センター小児科

ページ範囲:P.115 - P.119

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Ⅰ はじめに

 2007年12月28日に厚生労働大臣から「麻しんに関する特定感染症予防指針」1)が告示され,2012年の麻疹排除(WHOは2005年に日本を含む西太平洋地域の麻疹排除の目標を2012年と設定している)に向けた本格的な取り組みが,わが国においても始まった。この指針に基づいて2008年1月より麻疹と風疹はそれまでの五類感染症定点把握疾患から全数把握疾患に変更され,診断したすべての医師は7日以内に保健所に届け出なければならなくなった。また2008年4月より5年間の制限つきで麻疹と風疹の定期予防接種が,第1期(1歳児)と第2期(小学校就学前の1年間に当たる児)に加え,第3期(中学1年生相当年齢),第4期(高校3年生相当年齢)にも拡大され,麻しん風しん混合ワクチン(MRワクチン)による接種が行われている。

 麻疹の排除とは,国外で感染した者が国内で発症する場合を除き,麻疹の診断例が1年間に人口100万人当たり1例未満であり,かつウイルスの伝播が継続しない状態と定義されている2)。麻疹排除の目標年度である2012年を迎え,わが国の麻疹,風疹の現状と今後の課題について概説する。

参考文献

1)厚生労働大臣 舛添要一:麻しんに関する特定感染症予防指針 平成19年12月28日厚生労働省告示第442号 http://idsc.nih.go.jp/disease/measles/kokuji442-191228.pdf
2)国立感染症研究所:<特集>麻疹2010年.病原微生物検出情報 32:31-46,2011
3)国立感染症研究所:<特集>麻疹2001~2003年.病原微生物検出情報 25:60-77,2004
4)国立感染症研究所:<特集>麻疹2006~2007年.病原微生物検出情報 28:239-263,2007
5)風疹流行および先天性風疹症候群の発生抑制に関する緊急提言 http://idsc.nih.go.jp/disease/rubella/rec200408rev3.pdf
6)国立感染症研究所:<特集>麻疹・風疹2006年3月現在.病原微生物検出情報 27:85-102,2006
7)国立感染症研究所:<特集>風疹・先天性風疹症候群2011年8月現在.病原微生物検出情報 32:250-268,2011
8)齋藤義弘:注意すべきウイルス感染症 麻疹,風疹.診断と治療 97:440-448,2009
9)厚生労働省:予防接種後健康状況調査集計報告書平成22年度後期分および累計分 http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001sjai.html
10)都道府県別麻疹ワクチン接種率 2010年度最終評価 接種対象群別結果一覧 http://idsc.nih.go.jp/disease/measles/pdf02/20110808-01.pdf

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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