文献詳細
特集 知っておきたい精神神経科の知識―専門医の診方・治し方
文献概要
Ⅰ 神経症の位置づけ
神経症は,心因性の機能性疾患として位置づけられており,19世紀後半から精神分析などの心理療法の最も重要な対象であった。古典的には,身体疾患の除外診断であり,症状が心因との関連で左右される,神経症症状が確認されるなどの定義がある。しかし,神経症の特に不安神経症の基盤に生物学的な要因を見いだす動向が生まれ,薬物療法が重視されるようになるという時代の変遷とともに国際保健機関(WHO)のICD-101)や米国精神医学会による「精神障害の診断と分類のための手引き第四版(DSM-Ⅳ)」では神経症という用語を用いなくなった。表1に「精神障害の診断と分類のための手引き第四版改訂版(DSM-Ⅳ-TR)」2)における神経症の病型分類を示す。本稿では,不安障害の分類とその症状,診断のポイントを紹介する3)。
神経症は,心因性の機能性疾患として位置づけられており,19世紀後半から精神分析などの心理療法の最も重要な対象であった。古典的には,身体疾患の除外診断であり,症状が心因との関連で左右される,神経症症状が確認されるなどの定義がある。しかし,神経症の特に不安神経症の基盤に生物学的な要因を見いだす動向が生まれ,薬物療法が重視されるようになるという時代の変遷とともに国際保健機関(WHO)のICD-101)や米国精神医学会による「精神障害の診断と分類のための手引き第四版(DSM-Ⅳ)」では神経症という用語を用いなくなった。表1に「精神障害の診断と分類のための手引き第四版改訂版(DSM-Ⅳ-TR)」2)における神経症の病型分類を示す。本稿では,不安障害の分類とその症状,診断のポイントを紹介する3)。
参考文献
1)融 道男・他(監訳):ICD-10精神および行動の障害―臨床記述と診断ガイドライン.医学書院,東京,2005
2)高橋三郎・他訳:DSM-Ⅳ-TR―精神疾患の診断・統計マニュアル.医学書院,東京,2003
3)小此木啓吾・他(編):心の臨床家のための精神医学ハンドブック.創元社,大阪,2004
掲載誌情報