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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科84巻3号

2012年03月発行

特集 知っておきたい精神神経科の知識―専門医の診方・治し方

身体表現性障害の診断

著者: 山田和男1

所属機関: 1東京女子医科大学東医療センター精神科

ページ範囲:P.189 - P.192

文献概要

Ⅰ “身体表現性障害”とは?

 “身体化”を主症状とする精神疾患を,“身体表現性障害”という。“身体化”症状とは,適切な検索を行っても,その症状をうまく説明できない身体症状(訴え)である。具体的には,胃カメラなどでの検査上は正常であるのに,食欲もなく胃の不快感が続くといったようなものである。狭義の身体化は,心理的な因子(ストレスや心的葛藤)が背景にあって起こる身体症状を指すが,広義には心理的な因子によらなくとも身体化という。身体化症状は,部位・形態ともに多岐にわたる。耳鼻咽喉科領域では,めまい,耳鳴り,難聴,咽喉頭部異物感などの身体化症状が多いと考えられる。

 身体表現性障害は,症状の種類や特徴,罹病期間などにより,さらに7つに下位分類される(表1)。

参考文献

1)山田和男:身体表現性障害.精神科研修ノート,永井良三・総監修.診断と治療社,東京,2011,pp353-357
2)山田和男:身体表現性障害と心気症:1.概念・診断・心理社会的研究.臨精医学 35:893-899,2006
3)American Psychiatric Press:Diagnostic Statistical Manual of Mental Disorders, Fourth Edition, Text Revision;DSM-Ⅳ-TR. APA, Washington DC, 2000
4)山田和男:身体表現性障害の不安.臨精医学 39:415-418,2010
5)Yamada K, et al:Effectiveness of herbal medicine(kampo)and changes of quality of life in patients with somatoform disorders. J Clin Psychopharmacol 25:199-201, 2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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