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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科84巻4号

2012年04月発行

特集 最新の漢方診療

副鼻腔炎

著者: 金子達1

所属機関: 1金子耳鼻咽喉科クリニック

ページ範囲:P.283 - P.287

文献概要

Ⅰ はじめに

 副鼻腔炎は古来から漢方でも鼻漏の性状などからアレルギー性鼻炎と区別されてきた。現在のアレルギー性鼻炎の病態に近いのを鼻鼽と呼び,その透明で比較的希薄な鼻汁を清涕という。また,鼻淵は今の副鼻腔炎に当たる疾患であり,膿性な鼻汁のことを濁涕という。このように漢方方剤の選択もアレルギー性鼻炎とは異なってくる1)。また現代医学の観点からは急性の場合や慢性の場合でも抗菌薬との併用も考慮されなければならない。また,アレルギーの関与も薬剤選択にかかわったりして併用薬として西洋薬も考える必要がある。

参考文献

1)金子 達:症候からみる漢方,頭部,「くしゃみ・鼻汁・鼻閉・後鼻漏」.専門医のための漢方医学テキスト,日本東洋医学会学術教育委員会(編).南江堂,東京,2009,pp144-148
2)金子 達:鼻・副鼻腔疾患の漢方治療.日本鼻科学会誌 47:88-90,2008
3)中村英生・他:高齢慢性副鼻腔炎の検討.日本鼻科学会会誌 33:310-314,1994
4)金子 達・他:第5回耳鼻咽喉科漢方研究会,嗅覚障害に対する柴苓湯(TJ-114)の治療効果.Progress Medicine 13:1708,1993
5)三輪高喜:耳鼻咽喉科医が知っておきたい漢方薬のイロハ 神経性嗅覚障害.ENTONI 110:30-35,2010
6)金子 達:小児疾患の身近な漢方治療―第6回日本小児漢方懇話会記録集(5),小児感染症・アレルギー疾患の漢方治療,「小児耳鼻科における難治性感染症への漢方併用療法について」,日本小児漢方交流会(編).メジカルビュー,東京,2006,pp32-41
7)新井 信:薬物学,方剤学,注意点.入門漢方医学,日本東洋医学会学術教育委員会(編).南江堂,東京,2002,pp126-128

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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