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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科84巻4号

2012年04月発行

文献概要

特集 最新の漢方診療

咽喉頭異常感症

著者: 内藤健晴1

所属機関: 1藤田保健衛生大学医学部耳鼻咽喉科学教室

ページ範囲:P.289 - P.292

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Ⅰ はじめに

 咽喉頭異常感症に対して漢方薬を使用する場合,まず咽喉頭異常感症について適切な認識を持っておく必要がある。そのうえで状況に応じた漢方薬を選択することが大切である。

 咽喉頭に異常な感じを訴えることを咽喉頭異常感症という。その原因となる疾患は全身,局所を合わせてきわめて多彩であり,そのうえ,一般社会の中で咽喉頭異常感を自覚している人が意外に多いことが推定されている1)。そうしたことから,咽喉頭異常感症はわれわれ耳鼻咽喉科医にとっては軽視できない疾患の一つといえる。咽喉頭異常感は経過が長く難治の場合が多いので漢方薬の適応が期待される疾患といえる。本項では,咽喉頭異常感症の西洋医学的な原因に対応した漢方薬処方の紹介となるため,東洋医学的な診断や証を考慮した投与法ではないことを理解いただきたい。

参考文献

1)小池靖夫・他:咽喉頭異常感症に対する診断的治療.耳鼻臨床 72:1499-1506,1979
2)内藤健晴:咽喉頭異常感症.総合臨床 56:157-158,2007
3)中西泰夫:咽喉頭異常感症の臨床統計的観察.藤田学園医学会誌.臨耳増刊 8(1):39-71,1989
4)山際幹和・他:咽喉頭異常感症の統計的観察.耳鼻臨床 79:1823-1840,1986
5)太田文彦:咽喉頭異常感症の疾患概念と歴史的背景.JOHNS 15:163-166,1999
6)内藤健晴:胃食道逆流症(GERD)と咽喉頭異常感症.日耳鼻会報 110:252,2007
7)内藤健晴:喉頭アレルギー患者における咽喉頭異常感.日気食会報 52:120-124,2001
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10)馬場 錬・他:喉頭アレルギーに対する麻黄附子細辛湯の有効性について.アレルギーの臨 21:64-68,2001
11)内藤健晴・他:麦門冬湯を使用した持続性咳嗽症例.漢方と免疫・アレルギー 17:54-65,2004
12)藤森勝也:かぜ諸侯群後遷延性咳嗽.慢性咳嗽の診断と治療に関する指針,2005年度版,藤村政樹(監).前田書店,金沢,2006,pp37-39
13)山際幹和・他:咽喉頭異常感症女性例の心身医学評価と薬効.耳鼻臨床 84:837-851,1991
14)荻野 敏・他:咽喉頭異常感症に対する柴朴湯の使用経験.口咽科 6:103-111,1994
15)荻野 敏:耳鼻咽喉科医が知っておきたい漢方薬のイロハ:咽喉頭異常感症.MB ENT 110:43-46,2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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